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2021年1月15日(金)

きょうの潮流

 日本を特別視する風潮がある。私が思うのは先の戦争。日本は勝てると信じていた。そこに冷静な状況分析はなく、ただ漠然と自分たちは勝つと思い込んでいた。今回の新型コロナウイルスでも、似た空気を感じた―▼昨年の5月末、最初の緊急事態宣言が解かれたあとでした。ウイルス学の世界的な権威、河岡義裕・獣医学博士がそう警鐘を鳴らしていました。一気に自粛ムードが緩んでしまえばふたたび感染拡大を招きかねないと(『新型コロナウイルスを制圧する』)▼多くの国民や専門家の懸念を現実に変えてしまったのが政府のGoToでした。もう大丈夫とばかりに旅行や外食を喚起・奨励し、各地に人波や密をつくる。一方で備えは怠る。ふたたびの緊急事態はまさに失政による人災です▼このウイルスの感染が国内で初めて確認されてからあすで1年。命や健康、生活を奪われ、人生を狂わされた姿は絶えず、収束の見通しもたっていません。感染の増加ペースは加速し、死者も1日で3桁に達するかの勢いで増えています▼いつ終わるともしれない、見えないものとの苦闘。しかし、人類はそれを乗り越えてきました。相手の正体を正確に知り感染予防を徹すれば抑え込むことは可能だと専門家も指摘します▼地球上に無数に存在し、変異していくウイルス。新たなコロナウイルスの出現サイクルも早まっているといいます。私たちが本当にたたかうべき相手。それは科学を無視し、人命を軽んじる政治や体制なのかもしれません。


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