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2021年1月12日(火)

きょうの潮流

 9カ月ぶりに出された緊急事態宣言の下で新型コロナの感染が全国で広がり、3密を避け、検温、マスク、手洗いと、自助を実践する毎日です。「まず自助を」と説き続ける菅首相の罪深さも日々問われています▼市民団体と労働組合が共同して食料支援もした「年越し支援・コロナ被害相談村」。人々が助け合う「共助」のお手本で「公助」の貧しさをあぶり出しました▼相談村を訪れた四国出身の30歳男性は所持金が2万円でした。音楽の専門学校卒業後、楽器店でバイトし、派遣労働者になって働いていたアパレル会社は昨年8月に倒産。次の短期派遣も3カ月でした▼ハローワークは同じ求職者であふれて仕事はなく、家賃2カ月滞納して路頭に迷う寸前でした。「人生の分かれ道。コロナでなくならない仕事を選んでいたら」と自分を責めてしまう男性。対応した人が「生活保護を受けることは権利です」と話すと、コロナ禍は自助で乗り切るものでなく「社会保障に頼ってもいい」と気持ちが軽くなったといいます▼最年少相談者は19歳女性でした。仕事がなくネットカフェ暮らしで、実家に帰る金もないとの訴えでした。コロナ危機への「公助」の無策と感染拡大は、不安定な非正規雇用で働く若者や女性にとって命にかかわる緊急事態です▼コロナで生活が困窮し、自死が増えては元も子もありません。困った人たちに行きわたる経済的支援は、国の仕事です。連帯して「政府はその責任を果たせ」と迫る声を全国であげる時です。


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