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2020年12月1日(火)

きょうの潮流

 はや師走。いつもなら、ゆく年を追いかけながら、くる年を望むとき。しかし、今年はコロナ禍で社会のありさまが一変。面持ちの異なる年がわりです▼賀状づくりをうけおう業者からこんな話を聞きました。疫病払いの妖怪アマビエをあしらう、悪いことが続いた後に運が開くという意味もある一陽来復(いちようらいふく)の文字を入れたい。今年はそういう注文が多く、それとともに、終活を告げる人が例年よりも増えていると▼「このままでは年を越せない」。仕事が激減した中小業者や客が遠のいた飲食店の訴えです。「生活が立ち行かない」。なりわいを奪われた女性や若者の叫びです。政治の支援が届かず、苦境に陥る人びとは後を絶ちません▼この期に及んで国や都は東京五輪・パラリンピックの追加経費に数千億円を負担しようとしています。すでに1兆3500億円までふくらんだ大会経費も組織委員会を含めた3者で負うことになっていますが、みたび感染の波が押し寄せている状況下でさらなる出費とは▼いったいこの国の政権はどちらを向いているのか。ただなりゆきに任せているだけなのか。くらしや営みを守り、医療や検査体制を支える。そのための対策を求め、現実に政治を動かしているのは市民や野党の声です▼恒例の今年の漢字には禍や病、疫を予想する人が多いといいます。ウイルスがもたらした未曽有を映していますが、世には災い転じて福となすという教えも。ここは危機をのりこえ、新しい政治や社会を築く「望」としたい。


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