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2020年11月25日(水)

きょうの潮流

 自分は生まれてからほとんどいつも何かしらとたたかっていた。自由のため、平等のため、基本的人権のために。いまそれは若い世代に引き継がれている―▼今年7月に80歳で亡くなった米下院議員のジョン・ルイスさんは公民権運動の闘士でした。非暴力の学生組織の委員長を務め多くの運動に参加。1963年のワシントン大行進では23歳の最年少演説者として「目覚めよ、アメリカ。私たちはもう待てない」と訴えました▼頭の骨を折られたアラバマ州セルマのデモ行進。「血の日曜日」といわれ、警察の激しい暴行が暴かれたことは、後の投票権法の成立を後押ししました。彼の道のりは全米図書賞(児童文学部門)を受けたコミック『MARCH』に描かれ、次世代の手にとられています▼人びとを「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」運動に立ち上がらせたジョージ・フロイドさんの死から半年。いまも新たな目覚めをもとめる声は米国をはじめ世界でも▼初の女性副大統領となるカマラ・ハリスさんは、勝利演説のなかで民主党の大先輩でもあるルイスさんの言葉を引いて呼びかけました。「民主主義は状態ではなく、行動である」▼自由と平等と正義をかちとる未完のたたかい。闘病の最後の日々でさえ、それを受け継ぐ若者たちを励ましていたというルイスさん。「あきらめてはいけない、絶望してもいけない。知識と勇気をもって」。苦難をのりこえてきた先人のマーチ。それは歴史が進むことを教えてくれます。


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