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2020年11月21日(土)

きょうの潮流

 コロナ禍の中で、子どもたちはどんな状況に置かれ、どんな支援が求められているのか―。埼玉県で生活困窮世帯の子どもへの支援をしている「彩の国子ども・若者支援ネットワーク」の白鳥勲さんが、さいたま教育文化研究所発行の雑誌に経験を書いています▼同ネットワークは県内の貧困世帯の小・中・高校生に対し、無料の学習教室の運営、家庭訪問、食事の提供などで支援をしています。3月からの休校時は学習教室も開けなくなりました。そこで97人の常駐スタッフが手分けをし、支援対象の1500世帯に週1回、電話をしました▼給食がなくなって1日1食しか食べていない。学校から出された課題ができず、教えてくれるおとなもいない。昼夜逆転や家庭内暴力、引きこもりも。そんな深刻な実態がわかりました▼スタッフが感染対策をしっかりとって訪問し、弁当を届けたり、一緒に課題をやったりしました。家に閉じこもっていた子どもとは散歩やドッジボールをしました▼保護者や子どもからは大いに喜ばれました。白鳥さんは「明らかになったことはこのような災難があったときに犠牲になるのは社会的弱者だということ」とつづっています▼再開した学校では、遅れた分を取り戻そうと授業がとてもはやく進み、ついていけない子が多くなっていると白鳥さんはいいます。学習教室に来る子どもたちに丁寧に教えると同時に、「わからないときに聞く力をつけたい」と取り組んでいます。弱者に寄り添った貴重な活動です。


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