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2020年10月23日(金)

きょうの潮流

 韓国のベストセラー小説『82年生まれ、キム・ジヨン』が映画化され、日本でも公開中です。なかに印象的な場面があります。「きみのために育休を取るよ」という夫に、「私のため?」と返すジヨン▼小説では出産することに悩むジヨンに夫が言葉をかけます。「ぼくが手伝うよ」。するとジヨンは、これはあなた自身の問題でもあり「どうして他人に施しをするみたいな言い方するの」と腹を立てます▼子どもを産んで育てるのは妻や女性の役目。優しげな言葉の裏にみえる、こり固まった社会通念があぶり出されます。性をめぐる差別の構造は日本でも。とくに政治の場では政権与党からの暴言がやみません▼「レズビアンだってゲイだって法律で守られているという話になれば、足立区は滅んでしまう」。議会でそう口にした自民党の足立区議も、LGBTは生産性がないと公言した同党国会議員も、根っこには支配層が押しつけてきた価値観が横たわっています▼いま菅首相の初外遊に同行した妻への好感が政府・与党内にひろがっているそうです。優しいお母さんという感じで裏方に徹し、内助の功を発揮している…。自助の次は内助か▼なんともうらやましい外電が今週伝わってきました。史上最年少の女性首相となったアーダーン党首率いる労働党が圧勝したニュージーランドの総選挙。次の議会は人種や性別で最も多様性に富んだ構成となる見通しだと。カラフルな人たちの意見が映される政治。それを実現するのも一人ひとりです。


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