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2020年9月16日(水)

きょうの潮流

 コロナ禍で人びとが口ずさむようになった「上を向いて歩こう」。坂本九さんが歌った曲が全米で1位になったのは57年前。それ以来の快挙です▼韓国の男性ヒップホップグループ「BTS(防弾少年団)」が全米首位を獲得しました。シングルとアルバムの両方でトップになったのはアジアの歌手で初めて。世界的に人気を集め、「21世紀のビートルズ」といわれる20代7人組の魅力とは▼磨かれた踊りと多彩な楽曲もさることながら、彼らの音楽を語るうえで重要なのは独特な世界観とメッセージ。文芸評論家のシン・ヒョンチョルさんはそういいます。歌詞は荒々しくも叙情的で哲学や文学の要素もあり、それが傷つきやすい若者の心に響いているとも(『BTSを読む』)▼グループ名に込めた意味。それは、若者に向けられる社会的な偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜くことだとメンバーの1人が語っています。精神のよりどころを探し葛藤しながら成長していく。その姿に共鳴し、ともに弾を防ぐアーミー(軍隊)と呼ばれるファンの存在も支えに▼ユニセフを支援するBTSは2年前の国連総会で世界中の若者たちに呼びかけました。自分自身を愛し、語ろうと。人種差別や暴力反対の運動にも支持を表明しています▼人びとが分断される体制や社会にあって、誰もが抱えている孤独や悲しみ。そのなかで、お互いを大切に思い、助けをもとめあい、つながりあいたい。彼らの音楽からは、そんなメッセージが伝わってきます。


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