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2020年9月12日(土)

きょうの潮流

 「国の基本は、自助・共助・公助」―。自民党総裁選で菅義偉官房長官が明言しています。近年、厚生労働省の役人が繰り返し発するのを耳にした言葉です。社会保障にかかわる諸団体が制度改善を要請した時になどです▼本紙記事検索システムで「自助 共助 公助」を検索すると、ヒット数が最多なのは2012年です。この年、消費税10%への大増税と社会保障「一体改革」関連法の一つ、社会保障制度改革推進法が成立、施行されました▼同法は民主党政権時に、民自公3党の協議のなかで自民党が突然持ち出し、当時の民主党が丸のみしたもの。国民の「自助・自立」を強調し、「家族相互及び国民相互」で支えあうことを社会保障の基本とします▼自己責任を強調し、国の責務は後景に追いやりました。厚労省が自助、共助…と強調し始めたのもこのころからです。新自由主義的な政策のもとで社会保障は切り捨てられ、悲惨な事件が相次ぎました▼県営住宅の家賃を支払えずにいた千葉県銚子市の母親が無理心中を図り娘の首を絞めて殺害。東京都北区の高齢者向けマンションで認知症の人が日常的に拘束されていた。障害者19人が殺害された「やまゆり園事件」…▼いま、枝野幸男・立憲民主党代表は「民進党までの綱領は、自己責任や自助を強調する新自由主義的な側面が残念ながら残っていた」ときっぱり語っています。「新自由主義からの転換」での一致は、野党共闘により自公政権に代わる展望を開く力となるのは確実です。


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