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2020年9月3日(木)

きょうの潮流

 短すぎた今年の夏休み。子どもたちは楽しい思い出を作れたでしょうか。「あれもこれもダメ」と我慢を強いられ、疲れをためている子が多いのでは▼やりたいことを飽きるまでやったり、何もしないでのんびりしたりすることは「子どもの権利条約」が保障する大切な権利です。教育評論家の尾木直樹さんが本紙日曜版(8月23日号)で語っています▼「尾木ママ」の愛称で親しまれ、日曜版では子育てアドバイスを連載しました。「受験生の娘がスマホばかり見て勉強しない」という相談に「一番不安なのは本人。現実逃避せずにいられない気持ちを受け止めて」と回答するなど、貫かれている子ども目線が温かい▼その連載をまとめた新著『こわい顔じゃ伝わらないわよ』。あとがきで「これから求められるのは世代や立場を超えてつながり合う姿勢。誰もが自分は一人ではないと感じることができる、優しい新たな社会をつくろう」と呼びかけています▼コロナ感染者を攻撃するのではなく、心を寄せて支え合う。本来はそうした手本を子どもに示すべきおとなが、感染者や医療従事者、その家族らを誹謗(ひぼう)中傷する事態が後を絶ちません。「コロナより周囲の反応が怖い」という人も多い▼子どもへの影響も心配です。心の安定のためには詰め込み学習で追い込まず、時間も空間もゆったりとした学校作りが必要です。「マスクが苦しい」「行事がなくて悲しい」といった子どもの気持ちを受け止め、社会全体で安心できる環境を贈りたい。


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