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2020年9月1日(火)

きょうの潮流

 物理学者で文筆家の寺田寅彦が晩年の随筆に書いています。「一日も忘れてはならない」のは、日本が気象学的地球物理学的にも特殊な環境の支配を受けているため「天変地異に絶えず脅かされなければならない運命のもとに置かれている」ことだと▼台風・豪雨、地震、猛暑…。深刻な被害をもたらす災害が毎年のように起きています。数十年に一度の降水量となる大雨が予想される際の「大雨特別警報」もよく耳にします。九州を中心に広い範囲で記録的な大雨となった先日の「7月豪雨」では、7県で大雨特別警報が出されました▼気がかりなのは地球温暖化の影響。日本では長期的に極端な大雨の強さが増す傾向がみられるそうです。7月豪雨で気象庁はこういいます。一連の大雨において「温暖化の進行に伴う長期的な大気中の水蒸気の増加により、降水量が増加した可能性がある」と▼台風についても気になる研究が先週、発表されました。過去40年で東京など太平洋側の地域に接近する台風の数が増加しているというのです。しかも台風の移動速度が遅くなっていると。それは台風の影響を受ける時間が長くなることを意味します▼将来予測の研究では、温暖化が進むと今世紀末には、日本が位置する中緯度を通過する台風の移動速度が約1割遅くなるといいます。台風を移動させる周辺の風が弱くなるためです▼温暖化を見据えた防災の備えとともに、温暖化の影響を抑える取り組みを急ぐことが重要です。今日は「防災の日」です。


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