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2020年8月10日(月)

きょうの潮流

 世界遺産に指定された潜伏キリシタン関連遺産がある長崎。75年前の9日、浦上天主堂が、無残に原爆で破壊されました▼ローマ教皇は昨年、爆心地公園で演説しました。「ここは核攻撃が人道上も環境上も破滅的な結末をもたらすことの証人である町です」▼田上富久長崎市長は、平和宣言で「核兵器から解放された平和な世界を実現するためには、すべての人の参加が必要」との教皇の言葉を引きながら、「平和のために私たちが参加する方法は無数にあります」と呼びかけました▼長崎市被爆75周年記念事業として写真集『長崎の証言~増補改訂版』が復刊されました。日本リアリズム写真集団長崎支部に属する10人のカメラマンが1970年、ある時は非情に、ある時は被爆者と泣きながら“被爆者がどう生きたか”撮影したもの。福田須磨子さんは「鏡を見るのが一日でいちばん辛(つら)い瞬間」と語り、1955年頃から脱毛症状や皮膚疾患が現れ、体調の変調をきたしました▼「お化けのような顔していても/どんなに疲れきっていても/『原水爆禁止』の/話しをしなけりゃと思うのだ」と訴えた福田さん。写真集に写っている被爆者は「みんな一度亡くなりました。しかし『核廃絶』『世界に平和を』という遺志をしっかり受けつぎ、語りつぎ、歌い続ける限り、二度と死ぬことはありません」と▼核兵器禁止条約の批准国が43に増え、発効間近に。国際的な流れと結び、だれもが参加して、「核兵器のない世界」へ前進を誓った日でした。


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