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2020年6月2日(火)

きょうの潮流

 「いい子」の自分との決別。きっかけは3年前、みずから受けた性的暴行の裁判でした。「私の中で何かが変わり、もう戻れない。どんな局面でも、信念をもって言いたいことを言おう」▼米国の人気歌手テイラー・スウィフトさん(30)が自身のドキュメンタリーで語っています。閉ざしていた政治についての発言も。肌の色や性差、性的指向に基づくどんな差別も間違っている。すべての尊厳のためにたたかってくれない人に投票することはできない、と▼白人警官による黒人男性の暴行死をめぐり、スウィフトさんがトランプ大統領を痛烈に批判しています。「就任してから白人優位と人種差別の火をたきつけてきた。厚かましくも道徳的優越感を装った後に暴力で脅すのか」▼全米にひろがる抗議デモ。激化のなか、トランプ大統領はツイッターで「どんな困難でもわれわれはコントロールするが、略奪が始まれば銃撃が始まる」と暴力での対抗を示唆していました▼いまも絶えない権力の不当な弾圧。有色人種や貧困層に集中するコロナ感染。虐げられ、格差にあえいできた不満が各地に拡大する怒りに投影されています。日本でも先日、外国人に暴行した警官に抗議する市民らが渋谷署につめかけました▼コロナ禍の世界は人々の連帯がいかに大切かを示しました。分断や差別が人の命や社会をどんなに危うくさせるかも。スウィフトさんは、若者の政治参加を呼びかけています。「勇気を出して権力を正しく導けば、未来は変わるはず」


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