日本共産党

2004年1月7日(水)「しんぶん赤旗」

平和ねがう 中学生の歌 世界を巡る

広島発→25カ国語訳 教研集会で報告へ


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 被爆地広島の中学生たちが平和への願いをこめてつくった歌「ねがい」が世界をかけめぐっています。歌のことを知って感動した神戸市立湊中学校の教師、長田寿和子さんが、世界に広げる活動を続けています。小泉内閣がイラク派兵を強行しようとするなか、十日から十三日まで長野県で開かれる教研集会(同集会実行委員会が主催)の「外国語」分科会でその活動を紹介。「歌の輪に加わってほしい」とよびかけます。

 「もしもこの頭上に 落とされたものが ミサイルではなく 本やノートであったなら…きみは戦うことを やめるだろう」こんな歌詞ではじまる「ねがい」。この歌を長田さんが知るきっかけとなったのは、前回の教研集会(二〇〇三年一月)です。「平和と国際連帯」の分科会で「生徒がつくった平和の歌」と題する、広島の教師・横山基晴さんの報告を聞いたことです。

 長田さんは「教育現場での管理・強制が強まるなか、生徒たちの平和への思いをこういう形でうたいあげた横山先生たちの奮闘に感動しました」とふりかえります。

 「ねがい」は広島市立大洲中学校で、横山さんたちがとりくんだ平和学習のなかで生まれました。〇一年七月、生徒たちが広島合唱団を招いて一緒に平和の歌を歌ったのがきっかけ。生徒自身の平和宣言や詩も使い、同合唱団の山ノ木竹志さんの編詞、合唱団団長の、たかだりゅうじさんの作曲で〇二年二月に完成しました。「ヒロシマで誕生した二十一世紀の『イマジン』」です。

 昨年七月、長田さんたちは「ねがい」を、兵庫・淡路島で開かれた教育関係のアイアーン国際会議で聞いてもらいたいと奮闘しました。それが実って「ねがい」は同会議のテーマソングとなりました。会議では十二カ国の言語で歌われました。大洲中学校の卒業生、湊中学校の生徒たちも一緒に歌いました。いま、長田さんはホームページなどで「ねがい」を世界に広げたり、五番目以降の歌詞をつくってもらい、「世界一長い平和の歌」をつくろうとよびかけています。

 これにこたえて、各国、各学校から歌詞が集まり、現在百十七番までできています。歌詞はこれまで世界二十五カ国語に訳されています。ことし七月二十八日には広島で「ねがいコンサート」を広島合唱団とともに開くことが決まりました。

 横山さんは、昨年に続いて「平和と国際連帯」の分科会で「中学校のささやかな実践から生まれた曲が思いもかけない展開のなかで国内外に広がっている様子」を報告します。「『ねがい』には9・11テロ、アフガン戦争、イラク戦争などについてのさまざまな思いがこめられています。だれもが理解できる世界共通の言語といっていい平和の歌が世界中に広がればいいなと思っています」と横山さん。

 長田さんは先日、自衛隊のイラク派兵反対をよびかける市民団体の街頭宣伝で、「ねがい」をギター伴奏で四、五人で歌いました。「最初はとてもはずかしかったのですが、一緒にうたってくれる人も出てきて、ビラもよく受け取ってくれました。平和がおびやかされているいま、私は平和を訴えることにはもう遠慮しないことにしました。クレームがついてもちゃんと説得できる力をつけたいのです」と新たな決意を語ります。


 「ねがい」のCDについての連絡はneruda@mqb.biglobe.ne.jp 長田まで。

 「ねがい」のホームページはhttp://2003japan.jp/negai/index_j.html


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