日本共産党

2004年1月1日(木)「しんぶん赤旗」

イラク破壊の側に立つのか

日本を注視するアラブ世界

派兵自衛隊は占領軍と同じ

憲法を守る運動に期待


 【カイロ=小玉純一】イラク占領に加担する自衛隊派兵にアラブ諸国が厳しい視線を向けています。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラの小泉首相とのインタビューについてヨルダンのアラビア語紙アッライ二十八日付は「自衛隊がイラク再建の国際社会に参加するという首相の主張は間違いだ」「日本の部隊は米英軍の立場、イラクを破壊しイラク人を殺す立場にたつことになる。たとえイラク人に発砲しなくても」と論評しました。


 情勢は悪化の一途です。九月以降、攻撃による米軍の死者は百四十人以上。ブッシュ米大統領が「主要な戦闘の終結」を宣言した五月一日から八月末までの同じ四カ月間の二倍を超える死者数です。攻撃の対象は米英軍以外にも広がり、ポーランド、イタリアに加え昨年末ブルガリア、タイ軍が攻撃を受けて死者を出し、非軍人、民間人を含めるとこれまでに十二カ国と国連、赤十字関係者が犠牲を出しました。

続く住民の抑圧

 「占領軍に抵抗している勢力にはアルカイダもいますが、普通の人が武器を持ってたたかっています」。アラブ調査研究所長のアハマド・ユーセフ氏がカイロの事務所で語りました。

 反米デモに銃を乱射、ブルドーザーで住宅を破壊…。米軍は「テロリスト掃討」の名で住民抑圧の軍事作戦を続けています。「パレスチナを占領しているイスラエルがやっていることと同じです」とユーセフ氏はいいます。

 この地で航空自衛隊は他国の武装兵も輸送します。

 ユーセフ氏はいいます。「日本の部隊は抵抗勢力の標的。日本がたとえ復興支援に参加したとしても日本兵に犠牲が出るでしょう。そんなニュースは聞きたくない」

 アッライ紙も思いは同じです。「日本兵が侵略と占領を擁護するためにひつぎに入って帰国するのは悲しいことだ」

日本の世論に注目

 小泉インタビュー放映の直後、アラブ首長国連邦の英字紙ガルフ・ニュースは日本の世論に注目しました。

 「小泉首相は、自らの政治的立場を危うくしかねない。自衛隊のイラク派兵は日本でかなりの抵抗にあってきた。三分の二の日本人が平和憲法を支持している」

 「多くの日本人が熱心に議論している。日本の軍隊は自国領土を守るためだけのものなので、日本はどんな海外派兵もすべきでないと」

 アラブの目は日本国民のたたかいにも注がれています。


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