2003年12月31日(水)「しんぶん赤旗」
自民党の新井正則衆院議員が公職選挙法違反(買収)の容疑で逮捕されたことで、“政策本位の選挙”が売り物だった「マニフェスト(政権公約)」選挙の裏側で金権腐敗選挙が横行していた実態が浮き彫りになりました。来年一月に召集される通常国会でも、政治とカネの問題がふたたび焦点となりそうです。
自民党では、近藤浩前衆院議員(比例東海ブロック=辞職)も買収などの容疑で逮捕されています。国会議員二人の相次ぐ逮捕に、自民党内でも来夏の参院選への影響を危ぐする声などが出ています。静岡七区で落選した旧保守新党の熊谷弘元代表も、元公設秘書が公選法違反で起訴され、容疑を認めており、連座制の適用も検討されています。
民主党でも、比例東海ブロックの都築譲、宮城一区の今野東、宮城二区の鎌田さゆり各衆院議員の秘書や支援労組幹部などが、買収や利害誘導などの疑いで逮捕者が出ました。いずれも連座制が適用されれば、当選無効となります。
「マニフェスト」選挙などと宣伝する一方で、金権選挙ラッシュとなったことについて、自民、民主両党の責任は重大です。
しかも、新井議員の場合は、買収資金に国民の税金である政党助成金が使われたとされています。九九年に政党助成法違反や詐欺などで起訴された中島洋次郎衆院議員も、政党助成金を買収資金にあてており、腐敗の温床となっている政党助成制度そのものの是非がきびしく問われています。
<自民党>
近藤浩(比例東海ブロックで当選、辞職) 買収容疑で本人を逮捕
新井正則(埼玉8区で当選) 買収容疑で本人を逮捕
熊谷弘(静岡7区で落選) 買収容疑で元公設第一秘書を起訴、容疑認める
<民主党>
今野東(宮城1区で当選)利害誘導容疑で支援労組幹部を逮捕
鎌田さゆり(宮城2区で当選)利害支援容疑で支援労組幹部を逮捕
都築譲(比例東海ブロックで当選)買収の約束容疑で公設第一秘書が起訴
浅野真(岐阜1区で落選)買収の約束容疑で本人を逮捕