2003年12月25日(木)「しんぶん赤旗」
東北電力は二十四日、臨時取締役会を開き、新潟県巻町に建設予定だった巻原子力発電所(八十二万五千キロワット)の計画断念を正式に決めました。国の電源開発基本計画に組み込まれた原発計画を撤回するのは初めてです。
同社の幕田圭一社長は同日昼すぎに新潟県庁を訪れ、平山征夫知事に対し「今朝の取締役会で巻原発の撤回を決めました」と、計画の白紙撤回を伝えました。
東北電力は一九七一年に同原発の建設計画を正式表明。八一年には国の電源開発調整審議会で審査され計画に着手しましたが、用地取得に時間がかかり、運転開始時期が先送りされていました。九六年には同原発をめぐる全国初の住民投票で、過半数の住民が反対の意思を示しました。今月十八日、原子炉炉心予定地付近の町有地売却をめぐる訴訟で、最高裁で推進派の敗訴が確定。現計画での推進が困難になったことを受け、幕田社長は計画断念の意向を示していました。