2003年12月16日(火)「しんぶん赤旗」
東京・九段会館で開かれた「アフガニスタン国際戦犯民衆法廷」は十四日、第三回公判を開き、ブッシュ米大統領に「有罪」判決を下しました。
裁判長の新倉修青山学院大学教授が判決主文を宣告。「侵略の罪」、「戦争犯罪」(民間人・民間施設への攻撃、被抑留者に対する罪)、「人道の罪」(難民の発生、劣化ウラン弾使用)について、いずれもブッシュ大統領を「有罪」としました。判決の詳細は、来年三月の判決公判で発表されます。
第三回公判では、三人が証言。米国・サンフランシスコ新聞者組合のグローリア・ラヴァ委員長(女性)は、米国のアフガニスタン空爆の意図が「アフガニスタンを乗っ取り、中東を中心とした世界的覇権をねらった」ものとのべました。
パキスタンのモハメド・イクラム・チョードリ弁護士は、アフガニスタンで布教中、不当に拘束されたモハメド・サギール氏(52)が、アフガニスタンの捕虜収容所を経て、キューバにあるグアンタナモ米軍基地に抑留され、米軍によって受けた非人道的な取り扱いを、詳しく告発しました。
劣化ウランの毒性について証言したのは、矢ケ崎克馬琉球大学教授。劣化ウラン弾などの放射能兵器によって大量の酸化ウランが放出され、人間の体内で深刻な内部被ばくが引き起こされるメカニズムを説明しました。アフガニスタンで使用された放射能兵器による放射能は、広島に投下された原爆の一万倍になると指摘し、「すさまじい放射性物質をまきちらした犯罪をおこなっている」とのべました。
同法廷には、二日間でのべ千二百人が参加しました。呼びかけ人・賛同人が自衛隊のイラク派兵阻止の活動などを呼びかけました。