日本共産党

2003年12月12日(金)「しんぶん赤旗」

米の占領「短期終結を」

イラク国連派遣団 現状では困難

アナン総長が安保理に報告書


 【ワシントン10日遠藤誠二】国連のアナン事務総長は十日、イラクの現況に関する報告書を安全保障理事会に提出しました。このなかで同事務総長は、イラクでの「反乱者の攻撃の危険は現実的」であり、占領軍による「軍事的な手段だけでは解決できない」と指摘。国連の役割を強調し、「政治的な解決」によって米英の占領を短期に終わらせるべきだと述べました。さらに、現状では国連イラク派遣団のイラク復帰は困難だと断定しました。

 アナン氏は、言論の自由など基本的な人権、公的なサービスなどについては「過去数カ月で進展した」と評価する一方、「反乱者の攻撃はより高度で強力になっている」と指摘。こうしたなかで米軍が「(米軍への)脅威」やデモなどで致死性の武器を使用していることについて、「国際法と人道法に合致したものでなければならない」と米軍の占領・軍事作戦を厳しく批判しています。

 そして求められる「政治解決」では、これまで「排除されていたイラク人グループ」を含む「イラク社会のすべての部分」「独立と領土保全を尊重する」「真の代表」からなる「国民和合」をつくる必要性を強調しました。これは、来年六月末までにイラクに主権を移譲するとしながら米英の占領継続をはかろうとしている米英の暫定行政当局(CPA)とイラク統治評議会の合意を批判したものになっています。


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