日本共産党

2003年12月10日(水)「しんぶん赤旗」

憤る市民、宗教者

イラク派兵 閣議決定に抗議

国会の前で横断幕掲げ


 自衛隊のイラク派兵「基本計画」を閣議決定した九日、「平和をつくり出す宗教者ネット」「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」など百人以上の宗教者、市民団体スタッフが「イラク派兵の中止を求めます」の横断幕や憲法を書いたポスターをかかげ、派兵中止を求める抗議集会を東京・国会前で開き、首相官邸に向かって怒りのシュプレヒコールをあげました。

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小泉首相や神崎・公明代表の責任を問う「戦争五人組+1」のポスターをかかげる参加者=9日、国会前

 市民団体の代表ら一行は集会後、公明党本部を訪れ、「これ以上被害者をだしてはならない」と、政府に派兵中止を迫るようにと要請しました。

 イラクで米軍に連行されたことがある、チャンスの志葉玲さん(27)は「外交官の銃撃は、他人ごととは思えない。アメリカ軍を支援し占領を助ける日本がイラクの国民に(人道支援と)感謝されるはずがない。派兵に激しい憤りを感じる。日本の安全保障の最大の脅威は小泉政権だ」と抗議の声をあげます。

 石川勇吉・宗教者平和協議会事務局長は「いまこそ憲法九条を守らせ、派兵をやめさせることが大事」と訴え、日本キリスト教協議会の山本俊正総幹事はイラク・バグダッドの高校教師からの「普通の市民はだれもアメリカを支持していません。米国の連合軍としてイラクにこないでください」という電子メールを紹介して、派兵計画に抗議しました。

 「アメリカの戦争と占領を自衛隊が支援する派兵は許せない」と話す西田和子さん(46)=東京・江東区=は「小泉首相が『テロに屈しない』とかっこうのいいことをいうが、じつはアメリカのいいなりなだけ。外務省を、派兵中止を求め一月九日に千人の人間のくさりで囲む計画をたてている」と怒ります。

戦争で障害者つくらないで

寒さに耐え座り込んだ

 「イラクでこれ以上の障害者をつくらないで」−。九日、国会前。障害者たちが寒風のなか、朝から日が暮れるまで座り込み、必死に平和を訴えました。全日本視覚障害者協議会(全視協)と全国肢体障害者団体連絡協議会(全国肢障協)が緊急によびかけたもの。

 「なぜ『障害者の日』である九日に自衛隊派兵の基本計画を閣議決定するのか」と、柿本一志全視協会長は憤ります。

 「戦争こそ障害者の人権を踏みにじり、障害者をつくりだすものです。イラク国民から幼い子どもを含む戦争障害者がでている。米兵も障害者になっている。その上、日本の若者を障害者にするなんて」

 大阪からきた緒方淳子さんは閣僚への要請行動に参加。石破茂防衛庁長官の秘書に「イラクの復興支援のためだ」といわれました。緒方さんは「イラク国民は『日本が支援に来たのではない。軍隊を送りこんできたのだ』と受け取りますよ」と反論するうちに、怒りで涙がでてきました。

 「兵隊さんを送りだすなんて戦後の曲がり角だよ」と電動車いすで来た千葉勝郎さん(東京)。「障害者は戦前、ごくつぶしと扱われ、つらい思いをしてるんです」

 三瓶和寿さん(36)は十月に渡米して、核兵器廃絶を求める点字署名一万五百人分を国連に提出しました。「アメリカの視覚障害者の運動と交流しましたが、核兵器廃絶をふくめ平和の課題で一致。国内でも、立場は違っても平和では一致すると障害者団体の輪が広がっています」

 埼玉の高橋琴枝さん(52)は「いま行動しなくてどうする。寒いなんていってられない。障害者の行動は限られてるけど、がんばります」。

 日本共産党の小池晃参院議員が行動を激励しました。


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