日本共産党

2003年12月9日(火)「しんぶん赤旗」

宿泊拒否

ホテル経営会社に抗議

ハンセン病訴訟原告団 “衝撃、苦痛受けた”


 熊本県小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が、国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園(同県合志町)入所者の宿泊を拒否した問題で、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会(曽我野一美会長)は八日、ホテルを経営するアイスター社(東京・港区)を訪れ抗議文を渡しました。

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アイスター社に抗議文を渡し記者会見する(右から)國本事務局長、谺会長代理と弁護団、原告団の人たち=8日、東京・港区

 谺(こだま)雄二・会長代理(71)、國本衛・同事務局長(77)と弁護団らが江口忠雄社長と会い、「すべてのハンセン病患者・元患者に対し、大きな衝撃と精神的苦痛を与えた」とのべて、「真摯(しんし)に反省してふたたびこのような行為を繰り返さないよう」に強く求めました。

 菊池恵楓園の原告から「納得できない」とアイスター社のまったく反省のない姿勢に抗議する訴えが全国原告団に寄せられたことから抗議したもの。

 谺会長代理は、アイスター社が責任を県に転嫁したことに「がくぜんとした」とのべました。同社はハンセン病元患者が宿泊するのに、「ほかのお客さまとのコミュニケーションをとり、納得」しなければならないと主張。元患者であることを伝えなかった県に責任があったとする見解を記者会見でのべていました。

 谺会長代理は「なぜ病名を伝えないと宿泊できないのか。そのことが偏見・差別」と抗議。対応した江口社長は「心労をわずらわせて申し訳ありませんでした」とのべるにとどまりました。

 國本事務局長は「反省の姿勢がなくあらためて怒りを感じる」と語り、「ひきつづき追及していきたい」と話していました。


ハンセン病元患者と懇談

菊池恵楓園 仁比参院比例候補が訪問

 熊本県南小国町のアイレディース宮殿黒川温泉ホテルがハンセン病元患者の宿泊を拒否した問題で八日、日本共産党の仁比そうへい参院比例候補は、西川悦子党県女性部長とともに、国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園を訪問し、入所者自治会(太田明会長)で状況を聞きました。

 ハンセン病国賠訴訟弁護団の一人でもある仁比氏が「(宿泊拒否の)話は本当に悲しかった」と話し懇談入り。太田会長や自治会役員は、事件を起こしたホテルの本社・アイスターの対応について「県の責任にしたり、他の客の責任にしたり、まったく人権侵害と認識していない」と批判。「ハンセン病は特別な病気ではない。私たちの願いは普通に見てほしいということ」「多くの人は、ハンセン病を見たこともないのに、こんな事件が起きると変な目で見る。正しい理解を広めてほしい」など訴えました。

 仁比氏は「国も真相究明の問題など、責任を果たしてないといわれても仕方のない状況にある」として、これからも人権回復のため全力を尽くすことを約束しました。


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