2003年12月9日(火)「しんぶん赤旗」
サラ金最大手「武富士」(東京都新宿区)をめぐる盗聴事件で、電気通信事業法違反(盗聴)で逮捕された同社会長武井保雄容疑者(73)が盗聴の事実を認め、八日付で代表取締役会長を退任しました。これは同日、同社の清川昭社長が東京証券取引所で記者会見して明らかにしたもの。
武井容疑者は同社を通じ、「一連の盗聴はすべて私が指示したもので、すべて私に責任がある。深くおわびしたい」と容疑を全面的に認めるコメントを出しました。
しかし、清川社長は、盗聴について「会長らの個人的な行為」と会社ぐるみを否定。これまで、同社が武井容疑者の関与を一貫して否定したことについては、「会長が(私にも)『一切ない』と否定し続けてきたので、判明しなかった」などと弁明しました。
武井容疑者は同社元法務部課長中川一博容疑者(42)=同法違反容疑で再逮捕=に指示し、探偵業者三人=同=を使ってフリージャーナリスト宅の電話を盗聴した疑いで二日、警視庁捜査二課に逮捕されました。武井容疑者はこれを含め、少なくとも十二人の盗聴を指示したことが明らかになっています。
武井容疑者と武富士はこれまで「盗聴にかかわっていない」と容疑を全面否認していましたが、今回、一転して盗聴を認めたことになります。