2003年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
![]() タイヤとハブ(黄色の部分)の断面図 |
横浜市瀬谷区で昨年一月、走行中の大型トレーラーの前輪タイヤが外れ直撃を受けた母子三人が死傷した事故で、警察庁科学警察研究所は四日までに「事故原因は前輪と車軸を結ぶハブと呼ばれる部品の金属疲労」とする鑑定結果を神奈川県警へ提出しました。
県警は家宅捜索で押収した資料などを元に、メーカーの三菱自動車工業の安全対策に不備がなかったかなどを詳しく調べる方針です。
事故は昨年一月十日、瀬谷区下瀬谷の県道交差点付近で大型トレーラーの左前輪のタイヤ(約百四十キロ)が突然外れ約五十メートル転がり、ベビーカーを押していた同県大和市の主婦・岡本紫穂さん=当時(29)=を背後から直撃。岡本さんが頭を強く打って死亡し、長男=当時(4っ)と二男=同(1っ)=も軽傷を負いました。外れたタイヤは、車軸とホイールをつなぐ部品「ハブ」が破損していました。
同事故後、本紙の追及で同社製大型車の、タイヤ脱落事故が続発していることが判明。一九九二年から五十件も発生していますが、同社は原因をユーザー側の「整備不良」と主張しています。
一方、神奈川県警は構造上の欠陥の可能性もあるとみて十月二十四日、業務上過失致死傷容疑で同社本社などを強制捜査し、科警研に鑑定依頼していました。横浜市の死傷事故までに三十三件の脱落事故が起きており県警は、同社の安全管理に問題はなかったのか詰めの捜査をしています。