日本共産党

2003年12月4日(木)「しんぶん赤旗」

総選挙の教訓生かし

国民と深く結びついた強大な党を

日本共産党第10回中央委員会総会開く

参院選、党大会に向けた活動直ちに

志位委員長が幹部会報告


 日本共産党は三日、党本部で第十回中央委員会総会(十中総)を開きました。日程は二日間。幹部会を代表して志位和夫委員長が、総選挙の総括と教訓、来夏の参院選挙の方針、来年一月の第二十三回党大会に向けた活動方針について報告しました。市田忠義書記局長が「イラクへの自衛隊派兵――この歴史的暴挙をくいとめる行動に立ちあがろう」との国民へのアピールを提案、十中総の決議として確認されました。このあと討論に入りました。


イラク派兵阻止 「国民へのアピール」採択

写真

幹部会報告をする志位委員長=3日、党本部

 志位委員長は、議席、得票を後退させた総選挙結果について、党中央としておわびをのべるとともに、比例代表で得た四百五十八万票は二〇〇一年の参院選の得票とくらべて二十五万票増やしていることを指摘。「複雑で困難な条件のもとでふみとどまったといえる結果であり、今後の前進の土台となる貴重な成果だ」と強調しました。

 選挙戦から確信にすべき点として、(1)財界主導の保守「二大政党制」づくりの方向への、政党状況の急激な変化のもとで、的確な政治戦略と政策論戦の方針を築きあげながら、この選挙をたたかいぬいたことの意義、(2)社会保障の財源問題での政策提起、イラク問題での主張と行動、消費税増税と憲法改悪の問題での先駆的な提起など、日本共産党がこの選挙で訴えた政策・公約の内容は、すべて今後に生きる力をもつこと−をあげました。

 続いて志位氏は、党中央のとりくみについて二つの反省点をのべました。

 一つは、「全党と後援会に総選挙のたたかいへの総決起をよびかけながら、党中央がその推進のために必要不可欠な仕事を、時機を失せずにおこなうという点で、自らの責任を果たしたとはいえない弱点があった」ことです。

 志位氏は「これは、とりわけ宣伝物の発行や選挙政策の発表の遅れにあらわれた」とし、その遅れの責任は、「選挙闘争の全体に指導責任を負っている幹部会委員長である私と、選挙闘争本部が、遅れを重視し、党中央の集団的英知と力を結集して事態を打開する指導的イニシアチブを十分に発揮したとはいえなかった」ことにあるとのべました。

 もう一つは、保守「二大政党制」をめざす財界の新しい戦略にたいする的確な分析と告発の立ち遅れという問題です。

 志位氏は、財界が昨年末、直接のりだして政界を再編成し、政界を自らの直接の支配下におく戦略を開始するという新しい動きに出ていたことを指摘。「財界と政治の関係が急激に変化しているのに、政党関係の基本を従来型の見方でみていた。そのために保守『二大政党制』づくりにむけた財界のさまざまな動きを見落とす結果となった」とのべました。

 次に志位氏は、比例代表と小選挙区で、候補者を先頭にした住民との日常的むすびつきを強めるという方針にてらして、総選挙のとりくみの総括をのべました。

 三百の小選挙区のすべてで候補者を擁立してたたかいぬいたことの意義を確認するとともに、他党とくらべて「小選挙区での活動が弱いという現状をどう打開するかは、わが党の将来にとって真剣な努力がもとめられる重大問題だ」と強調するとともに、「比例ブロック選出議員も活動の形態と条件にちがいがあるとはいえ、住民要求にこたえた活動とむすびつきを強めるために特別の力をそそぐ必要がある」とのべました。

 党建設にかかわる総括と教訓について、総選挙のたたかいは、どんな情勢のもとでも前進できる量・質ともに強大な党建設の必要性を痛感させたと指摘。財界のたくらみを草の根から打ち破る、国民と深くむすびついた強く大きな党をつくることの重要性を強調するとともに、党大会決議案の提起もふまえて、どうやってこの分野での前進をかちとるかについて問題を解明しました。

 最後に参議院選挙、党大会にむけた二つの任務について報告。十一月二十二日の都道府県委員長会議で提起した参院比例代表選挙についての新しい方針−(1)投票の訴えは「政党名または候補者名の投票をお願いする」という方針に改める(2)総選挙での到達点をリアルに直視して、地域割りをもつ候補を五人にしぼり、五議席を比例での「絶対確保議席」とする−を中央委員会総会として確認することを提案しました。党大会成功へ議案の全党討論をすすめて練り上げる仕事と「党員・読者拡大の大運動」の前進をはかることを提起。「国民の期待にこたえ、党勢の新たな前進で新年、党大会を迎えよう。参院選で必ず勝利者となるため、ただちにとりくみを開始しよう」とよびかけ、報告を結びました。


第十回中央委員会総会への幹部会報告の骨子

一、総選挙の結果について

二、この選挙のたたかいから確信にすべきこと

 ・政党状況の急激な変化のもと、的確な政治戦略を築きながらたたかいぬいた
 ・選挙で訴えた政策と公約は、こんごに生きる力をもっている

三、党中央のとりくみの反省点について

 ・党中央が直接責任をおっている課題――宣伝物(号外)と選挙政策の遅れ
 ・保守「二大政党制」をめざす財界戦略への的確な分析と批判の立ち遅れ

四、候補者を先頭にした住民との日常的結びつきと選挙活動について

 ・全選挙区で候補者を立てたたかいぬいた積極的な意義
 ・計画的・系統的に有権者との日常的結びつきを広げるとりくみの重要性
 ・比例ブロック選出議員の二重の責任

五、党建設にかかわる総括と教訓について

 ・財界のたくらみを草の根から打ち破る、国民と深く結びついた強く大きな党を
 ・どうやって党建設の前進をかちとるか――選挙戦をつうじてうきぼりになった教訓

六、参議院選挙の方針、党大会にむけた二つの任務について

 ・参議院選挙の方針と目標について
 ・党大会の成功へ――全党討論と「党員・読者拡大の大運動」の前進を


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