日本共産党

2003年11月23日(日)「しんぶん赤旗」

年金、年56万円減も

政府 改悪案づくり急ぐ


 政府は、経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)で年金改革の政府案の検討をすすめています。年末のタイムリミットにむけて、国民に暮らしと老後不安をいっそう強める負担増、給付減を押し付けようとしています。十二月末に決定する来年度予算案に間に合わせるため、小泉首相は年内の政府案確定を総選挙で約束しました。

 十七日に出た厚労省案は、保険料を20%(労使折半)まで引き上げるもの。負担は現行の一・五倍にもなり、年収五百万円のサラリーマンで保険料が年間五十万円も給与から天引きされることになります。

 給付水準は、少子化がすすみ経済が悪化した最悪のシナリオで、現行の所得の59%から50%に下げられます。四十年加入の夫婦のモデル給付(現在月二十三万六千円支給)で、月四万六千円・年間五十六万円の削減(二〇二五年時点)。老後の二十年間の支給とすると、総額一千百万円を超える給付カットです。

 厚労省案をめぐっては財界が、企業の保険料負担の増加をきらって反発。十八日の経済財政諮問会議の集中審議では、日本経団連の奥田碩会長ら民間議員四人が「経済社会の活力が失われる」「16%程度にとどめることが望ましい」などとする意見書を出しました。いっそうの給付削減と消費税増税をはかる狙いです。

 総選挙で公明党の支援を受けた小泉首相は、保険料20%に理解を示しています。一方、財界の意向にも耳を傾けなければならず、内部矛盾を抱えての政府案づくりを迫られています。


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