日本共産党

2003年11月18日(火)「しんぶん赤旗」

イラク

主権移譲遅すぎる

仏外相 米提案を批判


 【パリ17日浅田信幸】泥沼化するイラク情勢に直面する米国が来年六月末までに主権をイラクに戻すとの提案を行ったことに対し、フランスのドビルパン外相は十七日付仏紙ラクロワのインタビューで「遅すぎる」と言明し、解決を急ぐ必要性を強調しました。

 同外相は、サウジアラビアやトルコにもテロ襲撃事件が拡大している事態について、軍事・治安活動でなく「政治行動を優先させるアプローチへの変更だけが暴力の連鎖を断ち切れる」との確信を表明。現在イラクではテログループ、民族主義的な抵抗派、イスラム原理主義派が混然一体となって「連合軍」を相手にたたかっている状況があり、「これらの(グループの)結びつきを阻止するために、イラク人に主権を戻さなければならない」と指摘しました。

 そのうえで、米国提案について「私の感覚では遅すぎる。もっと速く進まなければならない」と強調。既存の暫定政権、憲法委員会などを結集して十五人ほどの「移行政権」を年末までにつくり、権力を徐々に移譲することを提唱しています。

 外相はまた、「外から押し付けられることに人々の間には一種アレルギーがある」とし、米国の新保守派が武力で中東の再編をもくろんでいることに対して「力で秩序はつくれない」「他者を理解し、その文化を統合することができなければ、理解も尊重もされない」と批判しました。


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