日本共産党

2003年11月13日(木)「しんぶん赤旗」

米大統領

イラク撤退を拒否

ブレマー行政官 占領策見直しで帰国


 【ワシントン11日浜谷浩司】ブッシュ米大統領は十一日、復員軍人の日にあたる同日、アーリントン国立墓地での式典に出席した後、ワシントン市内で演説を行いました。同大統領は、イラクで米軍に対する攻撃が強まっていることを認めながら、これをテロリストの仕業と決めつけ、アフガニスタンとイラクで「やりかけた任務をなしとげる」と主張しました。

 大統領は「対テロ戦争の開始から二年、アフガニスタンとイラクで、米国の意思と決意が試されている。世界がそれを注視している」と、撤退の意思がないことを改めて表明しました。

 ブッシュ大統領は、「先月だけで千五百回の対テロリスト攻撃をしかけ、千人を超える殺人者を殺害もしくは拘束した」と主張。

 またその際、四千五百発の迫撃砲弾や千六百発のロケット推進型手投げ弾、その他の数千に及ぶ武器を押収したと述べ、「同盟軍は、イラクで攻勢に出ており、攻勢を維持する」と強調しました。

 一方、イラクのバグダッドでは同日、占領軍のサンチェス司令官が会見し、この数週間、米軍は攻勢的な作戦を増やしているが、「敵も暴力を拡大している」と述べ、困難を認めました。

 イラクでは、米軍への攻撃の強まりだけでなく、政治面でも困難に直面しており、大統領の主張は額面通りに受け止められてはいません。

 ブッシュ大統領は、イラク統治評議会が「新憲法制定に向け前進を開始した」と発言。しかし米政権は、同評議会の活動に強い不満を抱いているとされます。

 同日、占領当局のブレマー行政官が、急きょイラクからワシントンに戻り、パウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らと協議を行いました。米国の占領政策が手直しを迫られている、との観測が強まっています。


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