2003年11月9日(日)「しんぶん赤旗」
国民の税金の政党助成金が領収書も必要なくチェックできない人件費に消えた−−。上野公成前官房副長官、亀井静香元幹事長など十八人の自民党議員が、昨年、党本部から受け取った政党助成金一千万円を丸ごと領収書のいらない人件費に「支出」していたことが本紙の調べでわかりました。
国会議員が支部長を務める政党支部の二〇〇二年分の政党助成金使途報告書を調べたもの。自民党は各国会議員に年四回、二百五十万円ずつ計一千万円の政党助成金を支給しています。
政党助成法によると、助成金の使途は、組織活動費や宣伝事業費などは一件あたり五万円以上のものは金額と支出目的、日付、支払い先などを記載する必要がありますが、人件費はその必要がありません。
一千万円を丸ごと領収書のいらない「人件費」に支出していたのは、前出の二人のほか、佐藤剛男内閣府副大臣、中野清法務政務官など現政権の“中枢”や、中曽根康弘元首相、柳沢伯夫元金融相、笹川尭元科学技術担当相、谷川和穂元防衛庁長官など閣僚経験者も含まれています。
政党助成金は、国民一人あたり年二百五十円、計三百十七億円の税金を日本共産党を除く各党が分け取りしているもの。これら政治家は、不況で苦しむ庶民をよそに、実に四万人分の税金を第三者には具体的なチェックができない「人件費」として使っているわけで、まったくの「つかみ金」といえます。
政党助成金の使途については、人件費以外にも安倍晋三幹事長の「携帯ストラップ」五千個百七十三万二千五百円などが問題になっており、憲法違反の政党助成金廃止を求める声が強まっています。