2003年11月8日(土)「しんぶん赤旗」
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東京・練馬区の松本江理さん(34)の愛犬、美音(みお、柴犬)が、身体障害者補助犬法にもとづく全国初の聴導犬の認定をうけたことが七日にわかりました。横浜市リハビリセンター事業団(伊藤利之センター長)が同日、松本さんとともに記者会見し、聴覚障害者の自立・社会の参加への理解を訴えました。
聴導犬は、二〇〇二年に制定した障害者補助犬法で定められた介助犬や盲導犬とならぶ補助犬で、聴覚にハンディキャップがある人の「耳」となって生活を手助けするために訓練されています。
目覚まし時計が鳴っていることを知らせたり、やかんが沸騰した音を聞き、それを確認してその場所に人を導いたり、飼い主の名前が病院などでよばれたことを知らせることや、クラクションなどの音に反応し危険を知らせて回避することができます。
同法にもとづいて、ことし十月からデパート、ホテル、スーパー、飲食店などは補助犬の同伴をこばむことができないとされました。
四歳のとき進行性の難聴になり二十三歳で聴力を失った松本さんは「美音といっしょに認定の訓練をうけ、社会への参加、自立していくということの意味を再確認できた」と語り、満面の笑みをうかべ喜びを表していました。