日本共産党

2003年11月6日(木)「しんぶん赤旗」

日米軍需産業の「フォーラム」とは?


 〈問い〉 武器輸出禁止などの緩和を要求しているという、日米軍需産業の「フォーラム」とはどういうものですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 日米巨大軍需企業などが参加する「日米安全保障産業フォーラム」(IFSEC)とは、両国の軍需産業どうしの「対話」と政府への「提言」を目的とする、財界の機関です。一九九七年一月に第一回共同会合を開き、活動を開始しています。

 現在、日本側の事務局は、日本経団連の防衛生産委員会におかれています。三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工業など十二社が委員企業です。アメリカ側の委員企業には、ボーイング社、ゼネラル・エレクトリック社、ロッキード・マーティン社など八社が入っています。

 「フォーラム」は、九七年十月に、政府への要求などをまとめた「共同宣言」の初版を策定し、二〇〇二年十二月に改訂しました。それぞれ九八年と〇三年に、日米装備・技術定期協議(S&TF)の場で防衛庁や米国防総省に示されました。

 「共同宣言」の主要部分は、「日米防衛産業界の関心事項」と題した文書になっています。彼らは、技術供与や装備品売買などにとどまっている日米軍需産業間の連携を、「将来の防衛の関心事項」の「話合い」にまでふみこんだ水準に高めることが必要だと強調しています。そして「産業界の対話は、政府が法、政策、規制によって許容した範囲内でしか実施することができない」として、軍事技術移転や共同研究などへの規制緩和と、「知的所有権」などの合意形成を要求しています。日本には、政府が表明してきた“武器輸出は憲法の精神にのっとり慎む”などの政策について「輸出制限の例外を広げる形で、より柔軟な運用」を求めています。

 いま、集団的自衛権の行使にむけて自民党も民主党も政権公約で憲法改悪を掲げ、大軍拡への道を開こうとしているなか、日米軍需産業どうしが「将来の防衛」を「対話」し始めている意味は重大です。

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 〔2003・11・6(木)〕


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