日本共産党

2003年11月6日(木)「しんぶん赤旗」

道路公団改革

自民も民主も 財界主張の悪政競う

無駄な高速道建設、借金は国民に


 道路公団改革をめぐり、自民党と民主党が「全面対決」などと報じられています。しかし、その実態を見てみると――


民主党――無駄見直さず新規建設強調

 民主党は、マニフェスト(政権公約)で「公団を廃止し、大都市以外は三年以内に無料化する」と掲げています。十月三十一日に発表したマニフェストの追加項目には、「道路の維持管理、一般道の道路建設に加え、本当に必要な高速道路の建設も可能です」との文言を加えました。

 道路予算九兆円のうち借金返済と維持管理費に回す二兆円を引いた残りの七兆円を使って、新規の道路建設を続ける姿勢を強調したものです。

 菅直人代表は「地域経済の活性化につながる」と“経済効果”を強調し、「三年でできなければ辞める」とボルテージを上げますが、ムダな高速道路建設に税金を注ぎこみ続ける点でも自民党と変わらないことがかえって浮き彫りになりました。

 高速道路整備計画九千三百四十二キロのうち、未整備分は約二千百キロ。これを全部完成させるには約二十兆円もかかると見込まれています。

 このムダ遣い計画を見直すともいわず、新規道路建設を強調する姿勢は自民党と何ら変わらないことを示すものです。

 しかも民主党案は、公団の借金を国に付け替えるため、「裏返せば国民負担」(「日経」十月十九日付)となります。「旧国鉄民営化の最後の結末と同じで国民にツケを回す可能性がある」(「毎日」十月三十一日付)と指摘されています。

 無料化を性急にすすめるために毎年、二兆円の税金を投入するのなら、来年実施を国民に約束している基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げる財源に回すなど、社会保障に真っ先に使うべきです。民主党案は、税金の使い方としても優先順位が間違っています。

自民党――見直しいうが全路線建設へ

 この民主党案について自民党は「借金を国民の負担にする」ものと批判し、自分は国民に借金を押しつけないかのようなポーズをとっています。

 しかし、四十兆円の借金を抱えたままで民営化などできないことは明らかです。国鉄がJRになったときのように国民に借金がつけ回しされることは目に見えています。

 ムダな高速道路の整備計画についても自民党は、「見直し」(小泉純一郎首相)を口にはするものの、「すでに造ると約束したこと」(安倍晋三幹事長)と、全路線の建設が基本方針です。

 自民党重点施策二〇〇四年では、「東北中央自動車道」「九州内高規格道路」など高速道路計画がずらり。東京湾アクアライン以上のムダ遣いと指摘される「伊勢湾口道路」まで掲げています。

 借金は国民に押しつけて、高速道路は不採算路線でも建設を続ける――この方針は、日本経団連が昨年の意見書で主張するなど、財界が求めていたものでした。

 道路公団改革をめぐっても、自民党と民主党のどちらが勝っても財界が求める悪政がすすんでいく構図が鮮明です。

日本共産党――整備計画廃止など改革主張

 日本共産党は、道路公団改革について、(1)道路整備計画をきっぱり廃止・見直す(2)計画的な返済で段階的に無料化をめざす(3)官僚の天下りを禁止し、ファミリー企業を廃止する―と主張しています。その値打ちが光っています。


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