日本共産党

2003年11月5日(水)「しんぶん赤旗」

日本共産党の前進は

悪政をくいとめる力

国民とともに日本の未来ひらく力

東京・池袋での 不破議長の訴え


 日本共産党の不破哲三議長が四日夕に東京・池袋駅東口でおこなった演説(大要)は次の通りです。


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訴える不破哲三議長=4日、東京・池袋駅東口

 みなさんこんばんは(「こんばんは」の声)。日本共産党の不破哲三でございます。今夜は、私どもの街頭演説にたくさんの方が足をとめ、お集まりいただいて本当にありがとうございます。まず最初に心からお礼をもうしあげます。

 みなさん。二十一世紀の日本の運命がかかるといわれる総選挙、いよいよ最終盤になりました。この選挙戦を通じて、自民党と財界が二十一世紀の日本をどんなものにしようとしているのか、このことが非常にはっきりしてまいりました。

小泉「改革」の本体が見えた

国民には痛み、財界・大企 業は“繁栄”

 まず、いますすんでいる小泉「改革」であります。私たちは二年半、これを経験してまいりましたが、やっていることは、財界を応援して、国民の暮らしをいじめること、財界には大変喜ばれることをどんどんやるが、国民には痛みだけをまきちらす、こういう政治ではなかったでしょうか。

 私は、選挙が始まった日の新宿での訴えのときに、税金の問題と社会保障の問題で小泉「改革」の実態を紹介しました。

 小泉さんが二年半に税金をどう変えたか。国民には税金をさらに重くした。一兆七千億円の増税。企業の方には税金を軽くした。一兆三千億円の減税。誰を応援し、誰をいじめているのか、数字ではっきりしました。

 社会保障も、小泉さんは、「改革」「改革」といって、介護、年金、医療、雇用保険のすべてに手をつけました。しかし、どれも大変な改悪で、国民のみなさんの肩には二兆七千億円の新たな負担が押しつけられました。

 一方、財界には何をやってやったか。代表的なのは銀行への応援です。銀行の経営が苦しいから大変だといって、小泉さんになってから、それまでの内閣がつぎ込んだお金に加えて、新たに四兆円の国民の税金をつぎこみました。

 みなさん、国民にはひどいことをする。財界・大企業には喜ばれることをする。小泉「改革」の正体は、どの分野をとってもはっきりしているのではないでしょうか。(拍手)

 その結果、いま大企業は、もうけがふえて大変なんですよ。この間、三月期の決算が発表されましたが、もうけ頭(がしら)は自動車会社、史上最高の経常利益だということで、トヨタ自動車などは、一兆四千億円を超える利益を計上しました。一社で一兆四千億円ですよ。それに続いて、電話のNTTが、やはり一兆四千億円、携帯電話のNTTドコモが一兆四百億円、日産自動車が七千百億円、ホンダが六千百億円と、何千億円ももうけた会社がずらっと並ぶ。まさに大企業にとっては“繁栄”と“好景気”の始まりであります。

 これを見て、小泉さんは、“構造改革が実って、景気回復の芽が出てきた”、“結構、結構”と喜んでいますが、しかし、みなさん、国民の暮らしはどうなったでしょう。いくら小泉さんが、「芽が出た」「芽が出た」といっても、政府が毎月発表している勤労者世帯の家計の内容は、二年前に比べて毎月二万円以上もさがったままなのです。

 企業が“繁栄”しても、国民の暮らしが苦しいことは、政府発表の数字にはっきり出ています。しかし、財界・大企業が大事だという小泉さんには、国民の暮らしの痛みや苦しみは、目にも入らない、頭にも入らないのです。

 みなさん。いまの政治がどっちの方に顔を向けているのか、国民なのか、財界・大企業なのか、ここにはっきりあらわれているのではないでしょうか。(「その通り」の声、拍手)

痛みのあとは二つの大悪政

21世紀の日本はどんなことになるか

 しかもみなさん。痛みを押しつける小泉「改革」のあとの問題がはっきりしてきたのが、じつは今度の選挙の一番大事なところです。自民党が財界と相談ずくで打ち出したのが、一つは消費税の改悪・大増税です。もう一つは憲法の改悪です。

 みなさん、いま計画されている通り、これらの悪政が実行されたら、二十一世紀の日本はいったいどんなことになるでしょう。

消費税増税――税金は庶民が払うものという体制

 いままで日本では、税金は所得税と法人税と消費税の三つからなっていました。いま計画をされている消費税率二ケタ増税、いまの5%を財界の主張では18%にまで上げようというのですが、そうなったら、最大の税金として日本の税制の中心にどっかり座るのが消費税であります。18%になったら総額四十五兆円です。それだけの税金を、みなさんの毎日毎日の買い物のなかから吸い上げていき、その代わり法人税をもっと下げろというのが財界の要求であります。

 結局、税金は庶民が払うもの、財界・大企業は払わなくてすむように、そういう形に税制を切りかえて、二十一世紀の日本を庶民にとっては税金地獄にしてしまおうというのが、いま自民党と財界が相談して決めた方向です。

 これで充実した社会保障ができるから安心だという宣伝がされています。しかしみなさん、いまの政権党の年金の計画をみてください。小泉さんの計画は、年金でもらうお金はいまよりも減らし、いま払っている年金の保険料は大体一・五倍に増えるという計画です。消費税を上げるのは、ちゃんとした年金をつくるためだといいながら、じつは年金のとんでもない改悪を用意している。さらにその後ももっとひどい改悪がすすんでいくという見通しであります。

 しかも、消費税というのは、いっぺん税率引き上げのレールに乗ったら、なにしろ法律でパーセントを変えるだけでいくらでも簡単に増税できる税金ですから、どこまで上がるかわからない。とんでもないところに国民がひっぱりこまれる税金であります。こういうことをいま、政府、自民党、財界が計画している。

憲法改悪――米軍と一緒に戦争、アジアとの関係はずたずたに

 もう一つは、憲法の改悪です。いまの日本の憲法には、戦争はやらない、戦争のための軍隊を持たないという第九条があります。二十世紀に日本がやったあの戦争のひどい結果をふまえたうえでつくられた憲法で、いまの世界では、先を見通したこの憲法を日本でよくもつくったものだと、あこがれやほめ言葉が広がっています。

 ところが、アメリカにとっても、小泉さんにとっても、この憲法が邪魔でしかたがない。せっかく自衛隊をイラクに出しても、憲法第九条のもとでは「戦争はやりません」という条件をつけざるをえないからです。

 こういうものをとりはらって、イラクに出るのなら、アメリカ軍と一緒に戦争のできる軍隊として出てもらいたい。アメリカの前からの要求ですが、ここにじつは憲法改悪の一番のねらいがあるのです。

 アメリカがイラクでおこした戦争は、先制攻撃の戦争といって、国連憲章では禁止されている戦争です。だからアメリカが戦争をはじめたら世界中が批判をしました。国連の事務総長まで、めったにそういうことやらないんですが、この戦争は道理がない、世界の平和のルールをこわした、と告発しました。しかしアメリカは、これからも、アメリカの利益が必要とするときは、先制攻撃の戦争をやることを、戦略方針にしています。

 日本が憲法を変えたらどうなるでしょう。小泉さんはそのときには、自衛隊は「国軍」、つまり軍隊になるといっていますが、その軍隊がアメリカ軍と一緒になって、アジアの各地で日米共同作戦を展開することになります。それを、いま一番おそれているのがアジアの国ぐにであります。

 そんなことになったら本当に大変です。日本とアジアの国ぐにとの平和の関係、連帯の関係が全部ずたずたに断ち切られ、アジアに生きている私たちが、アジアから孤立して、太平洋の向こうのアメリカにしか仲間がなくなる。こんなことまでひきおこすのが、今度の憲法改悪のたくらみであります。

 しかも、そうなったら、国内では、軍備の新たな拡大が大問題になります。いまの自衛隊は、ともかく「日本の防衛」を建前にしたものです。それが海外派兵を大事な任務にする軍隊に変わるということになったら、それにはもっと多くの軍艦や飛行機が要るとか、アメリカと一緒に戦争をやるからには、もっと最新鋭の兵器が必要だとか、こういうことで、軍備の拡大がいやおうなしに始まります。その財源をどこから出すのか。

 消費税という便利なものがあるじゃないか。これをちょっと引き上げれば、何兆円でもすぐお金が出てくるじゃないか。

 じつは消費税増税と憲法改悪の二つの計画は、そういう思惑もあって、からみあってすすんでいるものなんです。

日本の政治を直接支配したい

――財界の野望むきだしに

 みなさん。二十一世紀のそういう計画を、自民党や政府・財界の思惑通りに実行させたら、私たちの日本、私たちの社会、私たちの暮らしはとんでもないことになります。それを許すのか、国民の声でそれをとめるのか、私はそういうことが今度の選挙にかかっているということを、まず最初にみなさんに訴えたいのであります。(拍手)

 まさに日本にとっても日本の国民にとっても、重大な時期であります。本当に日本国民の利益、平和の利益を守る政党だったら、こういうとんでもない計画が持ち出されたときには、全力でその前に立ちふさがって、そんなことやめろと、国民の声、正義の声をあげるのが当然であります。(「そうだ」の声、拍手)

 ところが日本の政界は、いま大変おかしなことになっています。テレビでも新聞でも、政権の“選択”だ、自民党と民主党の“対決”だと大騒ぎをしています。それなら自民党と“対決”しているはずの民主党は、自民党と財界のこの野望に対して、どういう態度をとっているのでしょうか。

 消費税増税は賛成です、憲法も、いまの憲法をご破算にして新しい憲法をつくる、つまり憲法改定に賛成です、こうしてこの二つのとんでもない悪政を推進している財界に調子を合わせたうえで、われわれはそういう点はあなたがたと同じ立場をとっているんだから、財界ももっと民主党を応援してほしい、政治献金もこっちに回してほしいという態度です。

 実際、この七月には、民主党の菅さんたちが日本経団連を訪ねて、財界の応援やお金のことまで頼みこんでいる。これが一体、野党のとるべき態度でしょうか。(「そうだ」「その通り」の声)

「政権選択」選挙――財界のシナリオ通りの進行

 じつは、日本の財界は、アメリカ式の二大政党制を日本に持ち込んで、日本の政治をそのシナリオに合わせて動かしたい、そういう計画を立ててきました。アメリカ式の二大政党とは、どちらも財界があとおしし、共和党が失敗したら民主党政権、それが失敗したら共和党政権という政権のたらいまわしで、財界にとって天下泰平の政治をいつまでもつづけようということです。「政権選択」選挙と呼ばれる今度の選挙戦は、まさにそのシナリオ通りの進行をしてきました。

 ですからみなさん。いま、財界の幹部たちは“自民党の政策にも民主党の政策にもわれわれの考えがちゃんと入った”、“うまくいった”と、日本の政界ぜんぶを自分の手のひらの上に乗せたような顔をして、盛んに意気を上げているようです。

政治献金のために政党の成績採点表までつくる

 じつは、一週間ほど前、日本経団連という財界の総本山が、「政党評価と政治資金」という一つの調査結果を発表したのです。なんの調査かというと、今度の選挙で発表された各党の政策を財界の立場で成績評価したものです。財界から見ていちばんいいのがAで「非常によい」、次がBで「よい」、その次はCで「取り上げていない」、それからDの「悪い」、Eの「非常に悪い(相いれない)」と続くのです。

 もちろん自民党の政策はAとB、「非常によい」と「よい」ばかりです。民主党の政策は十項目のうち八項目までがBの「よい」、財界の考えといっしょだと評価されました。

 日本共産党の政策についてはDの「悪い」とEの「非常に悪い」がずうっと並んでいます。財界にほめられるようになったらおしまいであって、私たちとしてはたいへん名誉な評価であります。(拍手、笑い)

 みなさん、なんのために財界はこんな調査をやり評価の結果を発表したのか。いま財界が大々的に政治献金をはじめようとしていますが、その政治献金を政党に配るさい、この成績評価に応じて、点数のいいところに集中して配ろうというのです。もちろん自民党が第一位、公明党と民主党が第二位にならぶ。そういう政党にばらまいて、財界の政治を応援させる、こういう目的でこの調査をやったのです。だから、主題が「政党評価と政治資金」であります。

 じつはいま、日本経団連会長の奥田さんは、アメリカにいって、ワシントンでアメリカの財界人と「日米財界人会議」というものをやっています。けさの新聞に、そこでの彼の発言が出ていました。“日本では政党がだらしないために、改革が思うようにすすんでいない。だから、これから政治献金をテコに、財界が日本の改革をとりしきるつもりだ”。アメリカの財界人の前で、こういって大見えをきったそうであります。

「財界」とは何者か――もうけ本位の巨大企業の集団

 みなさん、一体「財界」とは何者なのでしょう。どういう資格で、政党の成績評価をやったり、お金の力で日本の政治を支配しようとするのか。どういう資格で、ここまで政治に手を突っ込んで支配の手を伸ばそうとするのか。

 財界が何者であるかは、その総本山である、日本経団連の実態をみればわかると思います。

 ここには千二百六十八の会社が入っています。部門別の経営者団体も、地方の経営者団体も入っています。

 しかし、その中心は、各部門の巨大会社ががっちりとにぎっています。

 日本経団連の組織をみると、会長、副会長とか、評議員会の議長、副議長といった機構があって、その役員が二十六人います。

 会長は、さきほど日本で一番のもうけ頭として名前をあげたトヨタ自動車の奥田会長です。そのほかの十五人の副会長も、十人の議長、副議長も、そのポストを占めているのは、全部日本の巨大会社の会長さんや社長さんです。

 私はさきほど、三月期決算で一兆円以上とか、何千億円とかのもうけをあげた会社としてNTTやホンダの名前をあげました。このリストには、さらに武田薬品、キヤノン、東京電力、ソニーなどの巨大会社の名前がつづきますが、こういう会社は軒並み経団連の役員に名を並べています。

 そういう財界勢力が、日本の政治をもっと自分たちのもうけになる政治に切りかえたい、いまの自民党政治の程度では生ぬるい、税金の問題でも、もっともっと企業に軽く国民に重い税金に切りかえたい、そういうことを考えて、財界好みの政策を発表し、それを忠実にやる政党には金をばらまいて、さあそのとおりやりなさいと注文をつける。

 みなさん、いったい、こういう財界団体のどこに、ここまで政治を勝手にきりまわす権利権限があるというのでしょうか。(「そうだ」の声)

 財界の金で、政党が動く。こういう政治は、国民にとっては最悪のものです。「政権選択」「政権選択」といっても、二つの政党のどっちを選んでも、消費税は二ケタになります、どっちを選んでも憲法はご破算になります、こういうことでは、国民は「選択」のしようがないではありませんか。(「そうだ」の声)

 日本の政治を、金の力で消費税増税と憲法改悪に賛成する二つの政党一色に塗りつぶす。こんな財界の野望は絶対に許すわけにはゆきません。(「そうだ」の声、拍手)

総がかりの相手でも、

日本共産党の立場はびくともしない

歴史に試された国民の党、愛国の党

 いまこそ、こういう悪政に反対する本当の野党が、日本には必要なときであります。日本共産党の大きな前進で、国民を踏みつけにする財界主役の政治はごめんだという答えを、この選挙できっぱりと出そうではありませんか。(拍手)

 日本共産党は、党が創立されてから八十一年間、「国民が主人公」を信条にあらゆる波乱をのりこえてがんばってきた政党であります。国民を不幸にする間違った政治には、命がけでたたかいぬいてきた政党であります。

 財界と政府が総がかりでかかってこようが、野党第一党がそれになびいてその仲間入りをしようが、悪政に反対する私たちの確固とした立場はびくともするものではありません。(拍手)

 日本共産党は、戦前の天皇絶対の時代に、日本で初めて、こういう政治は間違っている、国民主権の民主政治を打ちたてなければならないと主張しました。また、侵略戦争にたいしても、反戦平和の旗をかかげて最後までたたかいました。そのために、「国体」に反する極悪非道の集団だとしてあらゆる迫害を受け、多くの先輩が命を失いましたが、この旗を絶対に降ろさないで最後まで貫いたのが、日本共産党であります。(拍手)

 そして、歴史は、戦前の日本を支配した軍国主義者たちではなく、日本共産党こそが日本と国民の真の利益を守る国民の党であったこと、愛国の党であったことを証明したではありませんか。(拍手)

 わが党が命がけで掲げ続けた「国民主権」の原則、侵略戦争反対の「平和」の原則は、日本の憲法に輝かしい言葉で刻み込まれました。

 いま、世界の多くの国ぐにで、日本の憲法が世界の政治に生きる時代がきた、こういう声があがっています。前に、アメリカには「第九条の会」という組織が生まれて、日本の憲法の精神を世界に広める、そういう仕事をしていることを紹介したことがあります。最近、新しいニュースがヨーロッパから飛び込んでまいりました。ヨーロッパ連合が憲法をつくる。その憲法に、日本の憲法と同じように「戦争の放棄」を書き込もうじゃないか、その署名運動が始まっているというのです(拍手)。ついこの間までイタリアの政権党で、いま野党第一党になっておりますが、その党の書記長もこれに署名をしたと聞きました。

 そういう目で世界から見られているのが日本の憲法であります。世界に誇るこの憲法を覆そうとする企てには、日本共産党は、国民のみなさんと腕を組んで、断固として立ち向かい、これを打ち破る決意であります。(拍手)

野党外交の成功の秘密はここに

 みなさん、二十一世紀の日本の未来は、憲法の平和と民主主義の精神をしっかり守り、政治に、また外交に、生かしてゆく道にこそあると、私たちは考えています。

 そして、日本がいまのアメリカいいなり、財界いいなりの政治から抜け出し、憲法第九条を生かす平和の道に進むことを、アジアやイスラムの多くの国ぐにが期待している。これが現在の世界です。

日本共産党の歴史と信条が、各国の心と門戸を開く力となった

 これまで、私は機会あるごとに、日本共産党の野党外交について話してきました。

 国内では、いろんな歴史の事情から共産党を認めていない国、それからまた、イスラムの国ぐにのように、宗教の立場からいえば神様を信じない共産党とは一番肌合いの合わないはずの国、そういう国の政府や政党が、日本共産党の歴史と行動、信条と考え方を知るとこぞって門戸を開いてくれるわけであります。(拍手)

 これらの国の人たちが気持ちを開いてくれた日本共産党の歴史と信条とは何でしょうか。

 日本の侵略戦争に反対した歴史と、そのなかから生まれた憲法第九条を守る、その姿勢であります。

 また、ソ連のアフガニスタン侵略、中国の毛沢東時代の他国への干渉、北朝鮮の拉致問題などの無法行為、世界の平和のルールを破るアメリカのイラク戦争など、国際的などんな無法行為にたいしても、相手が誰であれ断固たたかいぬくという自主独立の立場であります。(拍手)

 それから、国連憲章の平和のルールを大事にして、どんな場合も話し合いで問題の解決を重視し、力や軍事力での解決をしりぞける、日本の進路では軍事同盟から抜け出した平和・非同盟の日本をめざす、その平和の精神であります。

 そしてまた、アジアやイスラムの国ぐにとの友好を何よりも大事にし、文明や宗教の違いを超えて、相互理解をすすめるという態度−−私たちはこれを「異なる価値観をもった文明の共存」、こういうことをいっておりますが、そういう精神と態度であります。

対イスラム外交のあとをふりかえって

 じつは、私どもがイスラムの国ぐにとの外交を開始したのは四年前、私がマレーシアを訪問したときが最初でした。いまいったようなことを全部説明してから会談をやるわけにはゆきませんので、「日本共産党とはどういう政党か」という英語のリーフレットをつくって、もっていきました。会談のときにそれを相手側に渡します。そうすると相手が、「ああ、われわれの考えと一致している。まったく同じだ」などといいながらそのページをくる。こうして心を開いた話し合いがすすむのです。そういう経験をしました。

 イスラムの国の一つに、サウジアラビアという国があります。イスラムの教祖、マホメット(ムハンマド)が生まれた国で、イスラムの“盟主”といわれています。

 その国を去年、緒方国際局長・参院議員がイラク戦争の問題での話し合いのために、訪問しました。しかし、簡単には入国を認めてくれないのです。ほうっているわけではない。政府が、東京のサウジアラビアの大使館に連絡して、日本共産党がどういう政党かの報告を求めたようです。その報告には、さきほど私があげたようなことが全部入っていたのでしょう。それをよく研究して、この党なら信頼できるということで、入国の許可がおりたのだと思います。こうして代表団の訪問が実現したのですが、おそらく共産党がサウジアラビアを訪問したというのは、そのときの日本共産党代表団の訪問が、世界で初めてだったと思います。(拍手)

 サウジアラビアというのは、自分の国の防衛の大部分をアメリカにおまかせしているくらい、アメリカと関係の深い国なんですが、そのサウジアラビアの政府がわが党の代表団と会談して、アメリカのイラク戦争に反対するという点で、完全に意見が一致しました。みなさん、こういう広がりがつくれるわけであります。

 今年は、北アフリカのイスラム国家の一つ、チュニジアの政権党から党大会への招待がありまして、七月に私が行ってまいりました。こういう関係も発展する。十月には、イスラム諸国機構の会議がマレーシアで開かれましてた。そこにゲストとして招待されて、緒方さんが出席しました。五十七カ国の政府が集まる会議ですから、行ってみましたら、世界の政党の中で、政党として招待されたのは日本共産党だけでした。それぐらい、アジアの国ぐにやイスラムの国ぐにとのあいだでは、本当に深く広い連帯の関係が生まれているのです。

みんなが日本に求めていたものを、日本共産党が代表していた

 なぜ、野党外交がそういう大きな発展をしてきたのか。これらの国の人たちが気に入ってくれた日本共産党の立場というのは、じつはアジアやイスラムの国ぐにが日本の政府に求めて得られなかったものばかりなのです。日本は、平和憲法をもっている国だから、こういう態度をもっているだろうと期待して接近しても、全然期待はずれということになる。こういう失望をさんざん重ねたときに日本共産党に出会い、日本共産党の立場や考え方を知ったら、これがまさにわれわれが日本に求めていたものではないか、それを、あらわしているのが日本共産党だ、そういうことがすぐ分かったのです。(拍手)

 そのことが分かったら、宗教が違おうが文明が違おうが、そんな違いは乗りこえて、本当に平和をめざす連帯が広がる。ここにみなさん、私たちが野党外交で大きな成功をおさめてきた、秘密の一つがあるわけであります。(拍手)

 みなさん、このことは、日本の政治そのものが、アジアの国、イスラムの国、世界の国が望むような自主的な平和外交に転換したら、二十一世紀、日本の前途にはすばらしい展望が開けることを示しているのではないでしょうか。(大きな拍手)

悪政反対の願い、新しい国づくりの願いをどうか日本共産党へ

 この選挙は、二十一世紀の日本の未来にかかわる大事な選挙であります。政府と財界、自民党、公明党から民主党まで総動員したその野望に正面から立ち向かい、悪政反対をつらぬく日本共産党が前進するならば、それは、彼らがたくらんでいる悪政をくいとめる大きな力になると同時に、二十一世紀に「国民が主人公」の日本をつくる大きな足場をきずくことになると私は確信をしております。(拍手)

 みなさん、自民党など政権党への支持も、民主党への支持も、あなたが「消費税増税に賛成だ」「憲法改悪に賛成だ」、そういう立場に立っているという意思表示になってしまうというのが、今度の選挙であります。

 みなさんの貴重な願い、消費税増税反対の願い、憲法を守る願い、子どもや孫たちに誇りをもって引き継げる「国民が主人公」の日本を願う思いを、どうかこぞって日本共産党とその候補者に寄せていただきたいと思います。(大きな拍手)

 そして、相手側がどんなたくらみをめぐらせようと、この選挙で二十一世紀の日本の前進に向かうたしかな足場をきずく選挙になるように、みなさん方の日本共産党とその候補者への大きなご支援を重ねてお願いいたしまして、街頭からのお願いにかえるものであります。どうも長い間、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)


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