日本共産党

2003年11月2日(日)「しんぶん赤旗」

くらしと消費税・平和と憲法

市田書記局長が語る

共産党のラジオ政見放送


 日本共産党の政見放送・ラジオ版、「くらしと消費税・平和と憲法−−市田書記局長が語る」を紹介します。インタビュアーは、ラジオパーソナリティーの菊地美智子さん。



消費税増税をやめさせる

 −−みなさん、こんにちは。いよいよ総選挙ということで、日本共産党の市田書記局長からお話をうかがいます。

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市田忠義書記局長

 市田 こんにちは、日本共産党の市田です。

 −−さっそくですが、選挙で共産党がいちばん力を入れて訴えていることは何でしょう。

 市田 まず、なんと言っても消費税値上げの計画をやめさせることですね。自民党は政権公約で「消費税率引き上げについても国民的論議を行い、結論を得る」と言い出しました。

 −−えっ、消費税ってあがるんですか。

 市田 そうなんですよ。首相は「将来は消費税を上げざるをえない」。そう言いました。

 −−これはたいへんな問題ですね。民主党さんの方は「基礎年金の財源には消費税を充て」るといっておられますね。

 市田 そうなんですよ。民主党の代表は「将来消費税率が10%程度になることもある」といいました。

 消費税は、収入が多くても少なくても、同じように5%の税金を取られる。しかも生活に必要な毎日の買い物にかかるんですね。財界は、これを二ケタにする、ゆくゆくは20%近くにしようと言ってるわけですから、これを認めたら、国民のくらしはもうめちゃくちゃ。最悪のシナリオです。

社会保障を予算の主役に

 −−消費税が上がるのは困るけど、年金のためなら仕方ない、という方もいますよね。

 市田 それはちがうんですよね。そもそも社会保障というのは、弱い立場の人々を助けるのがいちばんの柱ですよね。その社会保障のために、弱いものいじめの税金を二倍にも三倍にもする、とんでもない話ですよ。日本共産党は、消費税に頼らずに社会保障を支える政策をきちんともってます。

 −−どんな政策なんですか。

 市田 いちばんのポイントは税金の使い方をあらためることです。ヨーロッパやアメリカでは予算の中心は社会保障なんですよ。ところが日本では諫早干拓とか大型開発が中心で、社会保障が脇役になっている。私たちの税金がどれくらい社会保障として戻ってくると思われますか。

 −−どれくらいなんですか。

 市田 日本は三割もないんですよ。欧米は四割以上です。この割合を欧米なみにあらためれば、十兆円の財源がつくれます。そうすれば年金、医療、介護などの社会保障制度はじゅうぶん支えられます。もっと将来、高齢化社会が本格化したときは、大企業や高額所得の方にふさわしい負担をもとめます。実は、日本の企業の負担は、欧米の五割から八割です。所得の多い人にはたくさん負担してもらい、所得の少ない人には少ない負担にする。生活費には税金をかけない。これが公平な税制のあり方じゃないでしょうかね。

 −−ヨーロッパと日本の予算の使い方ってちがうんですね。

 市田 そうなんです。ヨーロッパとくらべると日本の経済のゆがみがよくわかります。税金の使い方だけでなく国民のくらしを守るルールもずいぶんちがうんですよ。たとえば、ヨーロッパでは中小企業と大企業が対等平等の関係です。日本のように下請けいじめはできません。それからヨーロッパには税金を納める人こそ主人公だと、納税者の権利を守るルールがあります。ところが日本は税務署のほうがいばっていて、中小業者のみなさんが大変な思いをしている。サラリーマンだって、残業はさせられ放題ですし、家族を残して転勤なんてね。こんなことがあるのは日本だけですよ。私たち日本共産党は、せめてヨーロッパなみのくらしと権利を守るルールある経済社会をつくろう、と提案しています。

財界奉仕の政治の転換を

 −−日本共産党は、経済についてはどんなふうにお考えですか。

 市田 やっぱり経済のいちばんの土台は国民のくらしだと思うんです。ここをあたためないと経済は駄目なんです。一人ひとりの買い物は小さくみえますけれども、それが集まれば経済の六割を占める、一番太い幹です。この幹を大きくするのが経済の本道ですよ。

 ところが、自民党は国民のくらしを痛めつけて、大企業に手厚くする方向で経済を動かしてきました。これでは、いい方向に向かわない。財界に奉仕する政治から、くらしを応援する政治にきりかえる。これが日本共産党のめざす経済改革の方向です。

憲法9条改悪を許さない

 −−つぎに話題をイラク戦争など世界情勢に移したいと思います。

 市田 私は、いま国連憲章にそった平和な世界か、それともアメリカの勝手気ままな戦争を許すのか、そういう大きな分かれ道に世界は立っていると思うんですよ。

 −−たしかに最近のアメリカのやり方はずいぶん乱暴な気がしますね。

 市田 ひどいですね。イラク戦争は、誰が見たって国連憲章が禁じた先制攻撃で、完全に違法な侵略戦争ですよ。だから世界中が反対の声をあげました。ところが日本の小泉内閣はとにかくアメリカのやることだったら何でも賛成だと、戦争は断固支持でしたし、自衛隊も出そうとする、アメリカの占領を支援するお金も出す、と。

 日本は中東のどの国にたいしても戦前戦後を通じて一度も戦争をしたことがないんですよね。だから中東の人々はたいへん信頼してきました。しかし、このままでは、その立場を失ってしまう。アメリカの暴走だって助長する。たいへんなことになると思うんですよ。

 日本共産党は、今こそアメリカいいなりをやめ、自主的な外交にきりかえようと、そう訴えています。

 −−なんで日本はアメリカのいいなりにならなければならないんですか。

 市田 実は、(日本がアメリカ言いなりになる)「しかけ」があるんですよ。それが日米安保条約です。安保条約のために日本にはたくさんの米軍基地がおかれ、海外に攻め込むことが専門の軍隊がおかれています。こんな国は世界中で日本だけです。共産党は、安保条約をなくしてアメリカと本当の平和友好の関係をつくろうと、あたりまえのふつうの関係を築こうじゃないかという立場をもっているから、アメリカにも堂々とものが言えるし、アメリカいいなりはダメってしっかり言えるんです。

 ところがね、自民党はもっとアメリカに軍事的な協力をするために憲法までかえようと言い出したんです。「政権公約」に「二〇〇五年、憲法改正に大きく踏みだします」と書きました。自民党のねらいは、「戦争しない」と決めた憲法九条の改悪にあるんです。九条がある限り、公然と自衛隊を海外にだして「戦争をやります」とはいえません。国会でも「自衛隊は危ない所には出しません」というしかないんですね。これでは、アメリカが求めるような戦争の手伝いができない。だから九条を変えてしまおうということなんです。

今、野党のあり方が大事

 −−戦争は嫌ですね。

 市田 憲法九条は、日本がおこした戦争で犠牲になったアジアと日本の方々の深く熱い思いがこめられた、平和の宝です。私たち共産党は、この戦争に反対して、多くの党員が牢獄(ろうごく)にいれられ命をおとした歴史をもつ党です。それだけに、平和の憲法をどんなことがあっても守りたいのです。

 消費税増税と憲法改悪という二つの悪政に立ち向かってこそ、新しい政治がひらける。この点で野党のあり方がとても大事な時期といえるんじゃないでしょうか。

 −−市田さん、きょうはありがとうございました。お話をうかがって、やっぱり日本共産党っていいな、と思いました。

 市田 ありがとうございます。


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