日本共産党

2003年10月31日(金)「しんぶん赤旗」

小泉政治2年半

だれのための改革?

データでくっきり


 「自民党は改革政党になった」と豪語し、二年半の「改革」の実績を強調する小泉純一郎首相。これにたいして、日本共産党の不破哲三議長は二十八日の演説で、肝心なことは、「『改革』というが、だれのための改革なのか」だとして、小泉「改革」の二年半を検証しました。その実態をデータでみてみました。


大企業に減税、庶民には増税

グラフ
表
グラフ

 まず、税金の問題です。大企業には一兆三千億円の減税、庶民には一兆七千億円の増税(図)というのが、小泉内閣の“実績”です。

 お酒とたばこの税金が引き上げられたと思ったら、来年からは主婦層を狙い打ちにした配偶者特別控除の廃止、中小業者の営業と家計を直撃する消費税の特例縮小(免税点引き下げ、簡易課税制度の見直し)――これが庶民の側です。

 財界・大企業の側はどうでしょう。二〇〇三年度「税制改正」で、大企業向けの研究開発や土地税制関連の減税などが行われています。

 大企業の減税の恩恵はまだあります。今年四月、自民、公明、保守新の与党三党と民主党の賛成で「産業再生法」(一九九九年施行)が五年間延長されました。同法は、企業が労働者をリストラすれば減税するというものです。日本共産党国会議員団の調査(表)によると、法施行以来二百十七社が認定されました。その認定企業のリストラ計画は計八万九千二十五人、減税額は計八百十億二百五十万円。労働者一人を減らすごとに九十万円の減税になる勘定です。

 小泉内閣は、国民より財界・大企業に顔が向いているのです。

国民に2兆7千億円の負担

 国民のくらしを支える社会保障をどう「改革」するのか――小泉首相は、「安心して暮らせる社会をつくろう」(二十八日)と訴えています。しかし、小泉内閣が医療、介護、年金、雇用保険の四つの分野でおこなった「改革」とは、“負担を増やして給付は減らす”という改悪ばかりでした。国民への負担増と給付減は、合計で二兆七千億円にものぼります。

 医療では、昨年十月から七十歳以上のお年寄りの患者負担を値上げしました。それまでの定額負担(一回八百五十円)を廃止し、一割負担(一定以上の所得者は二割負担)を徹底したのです。さらに今年四月からは、健康保険本人の患者負担を二割から三割に一・五倍に引き上げるとともに、保険料も値上げしました。

 介護でも、四月から保険料を引き上げました。六十五歳以上は、平均で13%もの値上げです。

 年金では、「物価が下がったから」という理由で、四月からお年寄りの年金額を0・9%引き下げました。厚生年金の夫婦二人(モデル世帯)で、年間約二万五千円の減額となります。すでに受け取っている人の年金を削るのは、制度が始まって初めての改悪です。

 雇用保険では、昨年十月から保険料を月収の1・4%(労使折半)に値上げしました。さらに今年五月からは、失業手当の給付額や給付日数を減らしました。失業が最悪で雇用保険が一番頼りにされるときに、改悪を強行したのです。

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