2003年10月25日(土)「しんぶん赤旗」
【ニューヨークで浜谷浩司】核兵器廃絶の促進を訴えてニューヨークを訪問中の日本原水協代表団(下川忠範氏=福岡原水協=ら九人)は二十二日、国連で軍縮を担当する阿部信泰事務次長と国連本部内で会見しました。被爆六十周年を迎える二〇〇五年に向けて、核兵器廃絶をめざす新たな署名運動を推進していることを伝え、国連が核廃絶の促進に積極的な役割を果たすよう要請しました。
全日本視覚障害者協議会(全視協)の三瓶和寿氏と緒方淳子さんは、核兵器廃絶を求める「広島・長崎アピール」点字署名一万五百四十二人分を手渡しました。代表団はまた、「いま、核兵器の廃絶を」署名千人分などを提出しました。
長崎で被爆した中野士乃武氏(京都原水協)は、「真っ黒に焼けただれた死体ばかり。思い出すのもつらい」と、被爆体験を語りました。阿部次長は、代表団の要請をアナン国連事務総長に伝えると約束しました。
代表団はこれに先立ち、核兵器廃絶決議案を国連総会に提出している新アジェンダ連合諸国のメキシコとブラジルの国連代表部を訪ね、各国大使にいっそうの尽力を要請しました。
原水協代表団はさらに二十三日、スウェーデンの国連代表部を訪ね、ピエール・ショリ大使と会見しました。大使は、スウェーデンをはじめ十二カ国政府が後援する、大量破壊兵器の独立国際委員会(委員長=ハンス・ブリクス前国連監視検証査察委員会委員長)の活動を重視していると述べ、日本の原水爆禁止運動も同委員会に見解を提出するよう求めました。