日本共産党

2003年10月25日(土)「しんぶん赤旗」

ここが知りたい 選挙特集

ムダ削り半減 生活密着型に

公共事業の大改革

日本共産党は提唱します。


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ムダ削り半減

 大手ゼネコン好みの浪費型大開発が中心の公共事業の予算が、国民のくらしと社会保障の予算より極端に多い──世界に類をみない日本の異常です。公共事業費は、一九九〇年代に五十兆円にまで膨張しました。日本共産党は、福祉・環境型に重点化させることで雇用を確保しながら、バブル前の二十五兆円程度まで段階的に半減させます。


日本の異常 膨れた浪費型

対米公約で始まった

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 公共事業に国、地方合わせて毎年五十兆円ものお金を使うことになったのは、一九九〇年に当時の海部内閣がアメリカに、十年間で総額四百三十兆円もの公共投資事業を実行することを約束したことが始まりでした。

 この年の三月に開催された日米首脳会談は、ブッシュ大統領(現ブッシュ大統領の父親)が、海部首相を電話一本でよびつけたもので、“ブッシュホン”とまで皮肉られました。当時の自民党の幹事長は民主党に合流した小沢一郎氏でした。

 その時の日米構造協議について、野党の態度はどうだったのか。

 公明党は「当面の日米間対立、不信の解消に資する」としました。社会党は「構造協議について一応の合意をみたことは評価する」との談話を発表しました。

 日本共産党は金子満広書記局長が談話で、「公共投資大幅増額約束は、(略)国債大増発と大増税による国民生活破壊をもたらさざるをえない」と批判し、その後の事態の展開を先駆的に告発していたのです。

 九四年六月に成立した自民、社会、さきがけの三党連立の村山内閣は、クリントン米政権の要求にこたえ、四百三十兆円の計画を二百兆円も上積みし六百三十兆円にしました。「(国と地方で)公共事業五十兆円、社会保障二十兆円」という逆立ち財政をさらに悪化させました。

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変化の流れ

 山を切り崩し、木を切り倒し、住民を追い出し、森や海をコンクリートで埋めたててきた開発至上主義の大型公共事業にたいし、各地で住民の反対が盛りあがりました。

 日本共産党は、草の根の住民運動と共同を広げ、「いったん決めたら止まらない」といわれてきた大型公共事業の中止・見直しの流れを促進してきました。

 徳島県の吉野川可動ぜきをめぐっては、二〇〇〇年一月二十三日の住民投票で約九割が反対を表明し、徳島県政を大きく動かしました。

 長野県では、党と無党派の人々の力が大きく合流し「脱ダム」宣言をおこない、下諏訪ダム、浅川ダムが中止になりました。熊本県の川辺川ダムでは、福岡高裁がダム建設の根拠をくずす判決を出しています。


生活密着型に

大開発きり替えれば仕事も雇用も増える

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こんなに違う中小企業の受注割合

 日本共産党の提案は、公共事業費をバブル経済前の水準の二十五兆円程度に削減することです。それでも国土面積で二十五倍のアメリカを上回る水準ですから、国民に必要な社会資本整備は十分できます。内容も巨大開発中心から、「生活・福祉・防災・環境」重視に切り替えます。国民生活優先の公共事業は、巨大開発より、地域経済や中小企業、雇用への波及効果がずっと大きくなります。

 たとえば、東京都が発表している資料によると、一九八八年度から二〇〇二年度まで臨海副都心での中小企業の受注率は総額の8・2%にすぎませんでした。ところが、九八年度から〇二年度の東京都の福祉・住宅・教育関係の中小企業の受注率は80・3%。大型開発と生活関連では、中小企業の占める比重が十倍も違うのです。

 日本共産党と住民運動の共同の広がりの力で「脱ダム」宣言をおこなった長野県では、ダム建設計画のもとで棚上げされてきた河川改修や補修事業、ため池の整備などを計画しています。「この事業は、地元のことをよく知っている中小業者でこそできる」と、「仕事起こし」の運動が広がっています。また、森林整備予算を増やして水源の涵養(かんよう)と雇用につなげる取り組みをおこなっています。

 長野県栄村では、農民が主役になって小規模なほ場整備である「田直し」事業を進めています。国の補助事業だと農家の実情にあわず、村単独の事業に切り替えました。費用は国の補助事業に比べ平均して四分の一近くに抑えることが可能になりました。

 岩手県紫波町では、小学校の建設に町内で産出された木材を使用し、その建設は主に町内の建設業者や大工さんが担いました。「木造建築は地元の建設業者に仕事が回りやすい。地元の木材や業者を地元で活用することで、経済的な循環ができる」と喜ばれています。


自民も民主も 「都市再生」の名で新手のムダを推進

 小泉内閣が目玉にしているのが「都市再生」事業です。一部の大都市に公共事業を集中させるもの。狙いは、大企業の工場跡地を買い上げ、バブル期に計画され、頓挫していた開発を焼きなおしたものです。それに「都市再生」とはいうものの、対象地域になっている東京の臨海副都心や、横浜の「みなとみらい21」などは空き地だらけで、一度も「都市」になったことがなく「再生」しようもありません。

 また、すでに東京など大都市圏では、オフィスビルも、大型マンションも、ホテルも供給過剰が指摘され、「空き部屋」問題が深刻になっています。そこに新たな巨大ビルを建設し、その周辺地域の開発を公共事業でおこなうというのは、新手のムダとしかいいようがありません。そのうえ、住民の追い出し、高層ビルの林立による日照権の侵害、自動車の流入による交通渋滞など都市問題を深刻にします。

 川辺川ダムや諫早干拓、吉野川可動ぜきの計画の中止を求めている民主党も、この「都市再生」事業を推進するための法律には賛成し、新しい浪費型開発の推進勢力になっています。


赤字の空港や橋に賛成 民主 菅代表の実績

 民主党は「マニフェスト」(政権公約)で「公共事業の無駄を止め」るとし、いくつかの事業の見直しを提起しています。

 ところで、無駄の典型である大型公共事業にたいしてとった菅直人代表の態度はどうだったのでしょうか。

 赤字拡大が必至の二期工事をすすめる関西空港株式会社。会社設立の法律は、一九八四年に成立しました。菅氏は当時、社会民主連合の副代表で、この法案に賛成しています。

 「夢の架け橋」といわれて建設された東京湾横断道路(東京湾アクアライン)は、いまでは「ムダの架け橋」になっています。その建設を保障する「東京湾横断道路建設特別措置法」にも八六年の成立時に社民連は賛成。菅氏は、政策委員長でした。

 大阪湾臨海部の大規模開発をすすめるために九二年に成立した「大阪湾臨海地域開発整備法」についても賛成。その時は、社民連の政策審議会長でした。

 一方、諫早湾干拓事業について民主党はマニフェストで即時中止をいっていますが、地元の長崎県三区の山田正彦前議員は「二〇〇六年度の完成を目指して計画通り進めるべきだ」(市民団体のアンケート調査)としています。


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