日本共産党

2003年10月22日(水)「しんぶん赤旗」

米財政赤字 最悪の3,740億ドル

イラク戦など軍事費17%増が要因


 【ワシントン20日遠藤誠二】米財務省と行政管理予算局(OMB)は二十日、二〇〇三会計年度(〇二年十月−〇三年九月)の財政赤字が三千七百四十二億ドル(約四十一兆円)にのぼることを明らかにしました。前年度赤字額千五百七十八億ドルの二・四倍で、過去最悪となりました。

世界経済に影落とす

 米国内総生産(GDP)に占める財政赤字の比率は3・5%で、一九九三年以来の高水準となりました。これまで最高の赤字は、ブッシュ元大統領(現大統領の父)時の一九九二年に記録した二千九百億ドルでした。

 イラク侵略の戦費などにより、国防総省予算が17%も増大し、三千八百八十八億ドルに。このため歳出が前年比7・2%増の二兆一千五百六十五億ドルとなりました。他方で金持ち減税のあおりで収入が前年比3・8%減少し、一兆七千八百二十三億ドルとなりました。

 二〇〇四会計年度の財政赤字は、イラク関連の追加支出八百七十億ドルの影響もあり、五千億ドルを突破する見込みです。

 米国の財政収支はクリントン前政権下の九八年度に黒字を回復しましたが、「対テロ戦争」を強行するブッシュ政権下で〇二年度に赤字に転落しました。財政赤字と、悪化する貿易赤字は、来年の大統領選挙の主要な争点の一つになるのは必至です。

 大統領選を前に大幅な歳出削減も困難。米財政への懸念の高まりから、いっそうのドル売り圧力を生じさせ、世界経済に否定的影響を及ぼす恐れが強まっています。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp