日本共産党

2003年10月18日(土)「しんぶん赤旗」

国連が中心的役割を

アルゼンチン、ブラジル首脳

米のイラク戦争批判


 【メキシコ市16日菅原啓】アルゼンチンのキルチネル大統領とブラジルのルラ大統領は十六日、内外政策における両国の協力の方針をうたった共同声明「ブエノスアイレス・コンセンサス」を発表しました。

 ルラ大統領のアルゼンチン訪問を機に両大統領が署名した声明は、「各国の主権の平等にもとづく多国間主義秩序」を強調するとともに、「国連が確立した原則や目的と相いれない、あらゆる一方的な力の行使を拒否する」と宣言。名指しは避けているものの、国連をないがしろにして強行された米国によるイラク戦争を批判し、「国際の平和と安全を維持するための主要な普遍的手段」としての国連の中心的役割をあらためて確認しています。

 「ブエノスアイレス・コンセンサス」という名称は、一九八〇年代以降、米国や国際通貨基金(IMF)などが、経済発展の処方せんとして各国に押し付けてきた規制緩和や民営化を中心とする政策の総称「ワシントン・コンセンサス」を意識したもの。

 両国は、巨額の対外債務を抱え、IMFから債務返済を優先する歳出削減の圧力を受けています。この点で、声明は、「公的債務の管理にあたっては、富と雇用の創出、預金保護、貧困削減、教育と保健衛生の促進、持続可能な経済社会開発政策を目標としていなければならない」と指摘。IMFの意向に無条件に従うのではなく、自国の経済社会開発を重視しながら、債務問題の解決にあたる立場を明らかにしました。


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