2003年10月17日(金)「しんぶん赤旗」
![]() 勝訴判決を喜ぶ津曲さん(左)と支援の 人たち=16日、大津地裁前 |
日本歯科医師会に入会すると、その政治団体で自民党を支持する日本歯科医師連盟にも同時入会させられ、会費や選挙での協力を求められ、退会を認めないなど思想・信条の自由を侵害されたとして、滋賀県守山市の歯科医師、津曲雅美氏(54)が日歯連退会の確認と慰謝料を求めていた裁判で十六日、大津地裁(神吉正則裁判長)は「日本歯科医師会は日歯連と共同して、原告の思想信条に反する行為をした」とし、津曲さんに三十万円を支払うよう判決を下しました。
津曲氏は「(日歯連加入で)ずっとおもしろくなかった。入会勧誘も受けていないし、退会をいうと、医師会も退会してくれといわれ、医師会会員資格を失うと、年金も受けられなくなる」と表明。判決について「死ぬほどうれしい。日歯だけでなく公益団体すべてで政治団体の同時入退会は違法ということが、広く社会的に適用されることになる」と話しました。
日歯連訴訟は、鹿児島、宮崎、京都、福岡地裁でも起こされ和解。日歯連は昨年から自由入退会に規約改正していますが、大津訴訟では「社会的常識を判決で確定したい」と和解せず、初の判決にこぎつけました。