2003年10月9日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 先日、「業務従事命令」の対象者をさだめた政令が閣議決定されましたが、何をさせられるのですか。(東京・一読者)
〈答え〉 小泉内閣は十月三日、先の国会で成立した有事三法の一つ、改悪自衛隊法の施行令を閣議決定しました。自衛隊法一〇三条による「業務従事命令」の対象業種を定めたほか、▽防衛出動時に自衛隊が強制的に管理できる施設▽都道府県知事に、業務従事命令や物資保管命令などを「要請」する権限をもつ自衛官の範囲−などを示しています。
業務従事命令とは、自衛隊の防衛出動命令が出たもとで、自衛隊が必要とする業務に従事するよう、自衛隊から「要請」を受けた都道府県知事が「医療、土木建築工事又は輸送を業とする者」に命令するものです。自衛隊法一〇三条二項で規定されています。同項は、出動する自衛隊の「行動に係る地域以外の地域」で「内閣総理大臣が告示して定めた地域」の規定ですから、日本国内のどこにいても、業務従事命令の対象となりえます。日本の領域外でアメリカが起こす戦争に自衛隊を参加させる「武力攻撃事態法」と結びついて、アメリカの戦争に国民を動員できるようにするものです。
この業務従事命令の対象者の範囲を定めたのが、今回閣議決定された政令です。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、建設業者、鉄道事業者(JRは別の規定による)、自動車運送事業者、船舶運航事業者、港湾運送事業者、航空運送事業者−が列挙されています。
先の自衛隊法改悪では、業務従事命令を拒否した場合の罰則は盛り込まれませんでしたが、会社の業務命令などによって戦争に反対する労働者にも戦争協力を強制することになり、思想・良心の自由をはじめとする人権を侵害するものです。与党議員などからは早くも、拒否した場合の罰則明記を求める声があがっています。
(博)
〔2003・10・9(木)〕