日本共産党

2003年10月4日(土)「しんぶん赤旗」

米調査団も発見できず

イラク大量破壊兵器

団長が議会に報告


 【ワシントン2日遠藤誠二】イラクでフセイン政権時代の大量破壊兵器を捜索していた米調査団の責任者、デービッド・ケイ団長(米中央情報局=CIA=特別顧問)が二日、連邦議会上下両院の情報特別委員会で調査の報告に立ち、大量破壊兵器は発見されていないとの結果を明らかにしました。対イラク侵攻を進めた最大の理由が立証できないことを、米政府自身が認めたことになります。

 元国連査察官であるケイ特別顧問率いる調査団の捜索結果は「暫定報告」という形で提出されました。それによると、核兵器開発をめぐっては「現在まで、一九九八年以降、イラクが核兵器もしくは核分裂を起こす物質の製造を現実に企てようとした証拠は発見していない」として、開戦前に国際原子力機関(IAEA)が国連安保理に報告した「核開発の証拠なし」との内容を裏付けるものとなっています。

 生物・化学兵器については、菌株が入った小瓶のみで、「(化学兵器開発については)一九九一年以降、中央で統制された継続する大規模な計画」はなかったとしており、この分野についても兵器は見つかっていないことを示しました。

 ケイ特別顧問は、「この報告は、イラクの大量破壊兵器をめぐる最終的な調査とはならない」として、あと半年から九カ月の調査の継続を強調。しかし、侵攻開始から半年以上、ブッシュ大統領の「戦闘終結宣言」から五カ月を経て、一つの大量破壊兵器も発見できず、今後兵器が出てくる可能性は極めて低いとされます。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp