日本共産党

2003年9月30日(火)「しんぶん赤旗」

海自報告書

テロ特措法で派遣の艦隊

日米同盟強化のため

きょう延長案審議


 三十日からテロ特措法延長案が審議入りしますが、同法にもとづきインド洋で米軍に給油などをしている海上自衛隊艦隊の活動報告書が二十九日までに、本紙の防衛庁に対する情報公開請求で明らかになりました。

 報告書では、自衛隊の活動が「テロとのたたかい」を建前にしていながら、実際には、日米同盟強化と海外派兵体制の継続・拡大をにらんだ実績づくりに力点を置いていることがうかがえます。

 報告書は、海上自衛隊の自衛艦隊司令官が、二〇〇二年四月、同九月、〇三年三月の三回にわたり海上幕僚長に報告したもの。「秘」扱いでしたが一部公開されました。

 いずれの報告書も「テロとのたたかい」については「日本の姿勢を一層明確なものとすることができた」と簡単にのべているだけ。一方で、「強固な日米関係の構築」や、今後の海外派兵に必要な「精神的土壌の育成」を「成果」として強調する内容になっています。

 一回目の報告書は「緊密な連携と親密な連帯感に基づく米国艦艇に対する協力支援活動等を通じ、更に強固な日米関係の構築に寄与」できたと力説。三回目の報告書は「今後の『働く自衛隊』にとって必要とされる精神的な土壌を築くための素地を育成することができた」と強調。今後建造する艦船について、高温といったインド洋の環境条件に「耐え得る性能を有することが必要」とし、海外派兵に向けた装備強化も求めています。

 報告書は「湾岸諸国寄港を通じ、…プレゼンスを示すことができた」とし、自衛隊の存在を中東諸国に示したことも「成果」にあげています。

 政府・与党は十一月で失効するテロ特措法の延長を、まともな審議もしないで強行しようとしています。しかし、報告書で強調された「強固な日米関係の構築」や自衛隊の“実績”づくりを目的とするような延長は許されません。


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