日本共産党

2003年9月26日(金)「しんぶん赤旗」

主張

消費税論議

“増税隠し”は増税のためだ


 小泉第二次改造内閣が活動を開始しています。この内閣はどんな政治をおこなうのか。国民の大きな関心の一つは、消費税の増税です。

 小泉首相は、「(自民党)総裁任期中の三年間は、消費税の増税はしない」と繰り返します。しかし、首相のおひざ元の政府・与党の中も、財界も、消費税増税の大合唱です。

 首相は増税のための時間稼ぎに“増税隠し”をしているだけではないのか──国民の疑念は募ります。

「議論は妨げない」

 国民がとても小泉首相のことば通りには信ずることができない第一の理由は、首相が「任期中は増税しない」といいながら、「議論は妨げない」と、増税の議論をむしろ、あおりたてているからでしょう。

 首相が諮問する政府の税制調査会はすでに六月の答申に、消費税率を二ケタに引き上げる必要があると明記、首相はさらに「タブー視せず」議論するよう指示しています。第二次改造内閣で財務相に就任した谷垣氏も記者会見で、「議論は怠らずやっていく」と、消費税増税の準備をすすめることを確認しました。

 さきの自民党総裁選では亀井氏も藤井氏も高村氏も、そろって消費税増税を要求。財界はあいついで増税を要求し、日本経団連にいたっては増税賛成の党にはたくさん献金すると、利益誘導するありさまです。

 「議論は妨げない」というのは結局、増税にレールをしき、その準備をしておけということか。首相の本音は消費税の増税にあると、国民が見るのは当然ではありませんか。

 首相が、「いまは行政改革、財政改革をやっている。その改革が先だ」というのも同様です。

 「改革が先だ」というのは、「改革」を押しつけたうえ、一通りやったあとは、消費税の増税だということになるではありませんか。首相自身、「構造改革を徹底してやったあと、財源がないから消費税を上げるなら分かります」と、増税そのものは絶対に否定しません。

 だいたい首相がすすめる「改革」とは、年金や医療保険の改悪が示すように、国民に耐えがたい痛みを押しつけるものです。「改革が先だ」といって痛みを押しつけ、そのあとで増税も押しつけるというのでは、くらしも経済も破滅です。

 見過ごせないのは、小泉首相を含め政府・与党は、消費税は「基幹的な税」「高齢化社会の骨格的な制度」という考えを隠そうともしていないことです。

 首相自身が「消費税増税に反対なら年金の議論はできない」といったこともあります。政府や公明党など与党も、年金制度を続けるためには「安定財源」が必要だと、暗に消費税の増税を要求しています。

 政府・与党が消費税を「基幹的な税」だという立場に立ちつづける限り、首相がどんなに「任期中は増税しない」といおうとも、最後には増税を持ち出してくるのは目に見えます。国民の懸念は当然です。

「天下の悪税」に頼るな

 もともと消費税は、低所得者ほど負担の重い天下の悪税です。この消費税を増税して福祉の財源にするなどというのはとんでもないごまかしです。実際、消費税導入以降のこの十五年間に国民から巻き上げられた消費税は百三十六兆円にのぼりますが、福祉の面では年金も医療も介護も雇用保険も改悪につぐ改悪だったではありませんか。

 日本共産党は消費税の増税に反対し、消費税そのものの廃止を求めます。まずは増税反対の一点で、力を合わせようではありませんか。


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