日本共産党

2003年9月20日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党第八回中央委員会総会

志位委員長の結語


 日本共産党第八回中央委員会総会(十七日〜十八日)で志位和夫委員長が、討論の最後でのべた結語は次のとおりです。


 みなさん。二日間の会議、ごくろうさまでした。私は、幹部会を代表して、討論の結語をおこないます。

 二日間で、四十人の同志が発言しました。全体としてたいへん充実した、また率直な討論だったと思います。

「綱領改定案の力が、大会決議案のなかに生きている」

 まず、大会決議案についての討論のまとめをおこないます。

 この総会での討論でも、CS通信を視聴した全国のみなさんからの感想でも、大会決議案にたいして、その構成について、また内容について、全体として強い歓迎の声がよせられました。

 とくに共通してよせられたのは、「綱領改定案の力が、大会決議案のなかに生きている」という感想でした。この感想は重要だと思います。すなわち、綱領改定案が、わが党の民主主義革命論を仕上げたことをはじめ、二十一世紀の党の前進のための政治的・理論的土台を明らかにしたことが、わが党の活動をあらゆる分野で豊かに発展させる大きな道を開いた。その具体化の重要な一歩が、この大会決議案となって示された。そのことへの感動が、この感想にはあらわれています。

 討論でも、全国からの感想でも、大会決議案のそれぞれの章に、多くの共感の反応がよせられました。外交問題での党の提起、野党外交の発展などへの感動が、多くの方からよせられています。「たたかいの組織者」として党が奮闘することへの新鮮な決意も、たくさんの方がのべています。選挙と党建設で新たな前進をかちとることへの展望と確信がつかめた、という声もたくさんありました。提案者として、おおいに励まされる思いでこれらの感想をうけとめました。

道義的危機と子どもの問題――ただちに広い人々との対話・懇談を

 そのなかでも、決議案の第七章、「社会の道義的な危機を克服する国民的対話と運動を」という提起にたいする反響は、非常に強いものでありました。討論でも、この問題は深められましたし、「待ち望んでいた」という声が全国からもたくさんよせられました。子どもをめぐる危機に、多くの方々がどんなに心を痛め、切実にその打開を求めているかが、痛いほど伝わってくる反応でありました。

 未来を担う世代での危機というのは、そのまま日本国民全体の危機でもあります。わが党が、社会進歩を促進する党としての真価を発揮すべき問題の一つであります。

 そこで、決議案のこの部分は、独自に抜きだして国民への討論のよびかけの文書とし、きれいな体裁で印刷して、全国で活用できるようにし、広く各界の方々との懇談、対話などに、ただちに生かしていきたいと思います。そして党内外の英知を集め、この重大な問題についての方途を練りあげていきたいと考えます。(つづいて志位委員長は、総会で出された大会決議案にたいする修正・補強意見について、出された意見はできるだけ尊重して決議案を仕上げるという立場で、修正・補強の報告をおこないました。志位氏がここで言及した問題は、異なる文明間の共存、リストラと雇用、農業と食料、介護保険、選挙戦の構え、後援会活動、党員拡大、職場支部への指導などの項目についてです。このうち農業と食料問題は、総会での討論をふまえ、独立した第17節として、重視して位置づけてのべるという報告がおこなわれました)

たたかいいかんでは前進・躍進の道は開かれる

 つづいて、総選挙勝利と党大会成功をめざす活動についての討論のまとめをおこないます。

 大会決議案では、総選挙で勝利をかちとることは容易ではない事業だが、たたかいいかんでは前進・躍進できる可能性と条件が存在していることに広く目を向けて、奮闘しようではないかということをよびかけました。この提起が、討論でたいへん積極的に受けとめられ、深められました。

 何人かの県委員長から、「今度の選挙はきびしい」とだけみる受動的な姿勢が一部に生まれていることを重視して、「たしかに勝利は容易ではないが、奮闘いかんでは前進・躍進できる情勢が広がっている。そこをしっかり目を見開いてみて、おおいに元気に打って出て、勝利をつかもうではないか」という指導・援助をおこない、攻めの立場を確立することに力を注いでいるという発言がありました。ここはいまの政治指導でたいへん重要な、いわば“勘どころ”だと思います。

 討論でも、自民党政治の組織的基盤の大規模な崩れが、都市でも農村でもすすみ、新たな無党派層が広がり、これまで保守の立場だった人々もふくめた対話と共同が広がっている経験がこもごも出されました。とくに生活危機の深刻さ、切実さが、たいへんなところまで来ていることが報告されました。長野の今井県委員長は、選挙戦の宣伝物で生活危機の深刻さとその打開を訴えたら、「現実の暮らしはもっと深刻でひどい」という反応が返ってきたという報告をしました。国民の多くは“藁(わら)にもすがる思い”で、事態の打開を願っているわけです。そうした人々の願いに正面からこたえられる政治的・政策的立場を持っている党は、日本共産党しかありません。このことを、綱領改定案と大会決議案から全党の深い共通認識とし、おおいに党の真価を語っていくべきときであります。

 無党派の人々の心をつかむうえで、わが党が、現状打開の抜本的方策を持つ党であるとともに、現実に暮らしを守る頼もしい力を持つ党であり、国民とともにたたかいをおこしその力で生活危機を打開する党だということが、広い無党派層に実感として伝わっていくようなとりくみをすすめながら、選挙をたたかいたいと思います。

40日間で勝利に必要な活動をやりきる――他党にない草の根の力に自信をもって

 昨日の報告では、八中総から四十日間で、総選挙の勝利に必要な草の根からの活動をやりきろうという提起をおこないました。この提起は、全党に、大きな緊張感とともに、たいへん積極的に受けとめられています。

 討論のなかで、すでに各党が小選挙区で必死のとりくみをおこなっている、それに負けないとりくみをという発言もありました。もちろん小選挙区というのは、有権者の前で国政を争う基礎単位であり、比例代表選挙をたたかう基礎単位でもあり、すでに決定・発表している三百人の候補者を先頭に、草の根の活動を一気に強めることの重要性は言うまでもありません。

 同時に、ここで強調したいのは、草の根の力という点では、わが党は、他の党の追随を許さない財産、到達を持っているということであります。二万五千の支部、四十万人をこえる党員、二百万人ちかい「しんぶん赤旗」の読者、約二百五十万人の後援会員、約四千二百人の地方議員――これだけの草の根の力を“自前の力”として持っている党は、他にありません。

 このかけがえのない財産、到達点をすべて生かしきる、その底力をすべて発揮するというたたかいをやりきれば、草の根からわが党躍進の波をつくりだすことは必ずできる。みずからの草の根の力に自信を持って、「四十日間でやりきる」という提起を、文字通りやりぬこうではないか、ということを訴えたいと思うのであります。

 中央として、いま新しい後援会ニュースを作成しています。一両日中にもみなさんのお手元に届くように準備しておりますが、この八中総の成果をわかりやすくまとめ、対話・支持拡大の素材になるような内容となっております。まずこの後援会ニュースを、二百五十万人の後援会員すべてに渡して対話をおこなう、さらに数百万人の支持者、わが党とつながりのある方々にこれを渡して対話をおこなう、ここからとりくみをスタートさせていくようにしたいと思います。

総選挙勝利と党大会成功――党機関の確固とした姿勢がためされる

 昨日の報告では、総選挙勝利のためのとりくみを党活動の前面にすえつつ、同時に、党大会成功のためのとりくみも推進することを提起いたしました。これは、現時点では、もっとも積極的で攻勢的な方針です。

 党支部の活動を考えれば、両者の活動は矛盾するどころか、無理なく統一的に推進できます。全国からもこの提起を受けて、「腹がすわった」「すっきりがんばれる」という反応がたくさんよせられたことは、たいへん心強いことでした。

 これをすすめるうえで最大のカギになるのは、党機関の姿勢の確固性――断固たるゆるがぬ姿勢で方針を実践することにあります。党機関自身が腹をすえ、この方針を堅持し実践する。問われるのはわれわれ党機関のやりぬく姿勢です。

 この方針をつらぬくことは、早期の総選挙となった場合にも、全党の底力を引き出すうえで、もっとも合理的です。綱領改定案、大会決議案を、全党が深く身につけて選挙をたたかえば、どれだけの力となるか。また、「党勢拡大の高揚のなかで選挙を」ということは、これまでの選挙でもくりかえし強調しながらなかなか実践ができなかったことですが、そういうとりくみも今度の方針を堅持すれば、実践に道が開けるわけです。党機関が、ここをしっかりつかんで、両者を統一的・相乗的に推進する立場をゆるがずつらぬくようにしたいと思います。

 この問題では、たいへんうれしい反応もありました。山形県の須藤県委員長の発言はたいへん印象的でした。須藤さんは、「今度の方針をやりぬくのは、県委員会も地区委員会も体制が弱いから、たいへんだろう」と思って、地区委員会に電話をしてみた。そうしましたら、うれしいことに今度の決議案を読んで、「地区の活動の苦労に光が当たっていること、全党の力で機関活動を支えるという提起がされていることはたいへん心強いことだ。四十日間でやりぬかないと、反撃、前進できない。力あわせてがんばる」という反応が返ってきて、逆に励まされたということでした。機関の活動を全党が支え、全党に支えられた機関が方針実践のうえでのイニシアチブを発揮し、「支部が主役」の活動を援助する――こういう本当に血の通った活動をつくりあげながら、選挙戦の勝利をつかみとりたいと思います。

 それから、発言のなかで、党勢拡大にかかわって、「マスコミの現状を嘆くばかりでなく、党の主体的奮闘で勝利への波を起こすことが重要だ」ということを強調しているということがいわれました。これもたいへん大事な姿勢であります。マスメディアの現状は、たしかに深刻な問題をはらんでいます。さきほど市田書記局長が報告しましたが、テレビを利用してわが党の名誉を傷つける動きもおこなわれ、わが党は断固たる抗議と放送法にもとづく訂正放送を要求しました。必要ならば党としてやるべき対処はしますけれども、マスコミが問題だということを嘆いていても何事も前進しない。マスメディアに問題があればあるだけ、わが党自身のメディア――「しんぶん赤旗」を広げることこそ大事なのだという立場にたって、みずからの力で切り開く気概が必要です。国民世論を誤導する動きに負けないような、われわれ自身の強大なメディアをつくりあげていく。このこともしっかり、おたがいに確認して奮闘したいと思います。

二十一世紀をたたかう党の根幹を築くたたかい

 二つの大会議案の討論、「大運動」の推進という党大会に向けた二つの課題というのは、当面のたたかいにとって重要なだけではなく、二十一世紀をたたかう党の根幹を築くたたかいです。ですからこれは、長い視野でわが党の責務を実現していく──民主連合政府を二十一世紀の早い時期に樹立するという見地からも、絶対にゆるがせにできない課題であります。

 そういう位置づけも明りょうにして、総選挙勝利のためのとりくみを前面にすえつつ、党大会成功のためのとりくみを前進させるという、両者を統一的・相乗的に推進する、この大きな事業をやりとげたいと思います。

まさに一日一日が歴史的な意義をもつ日々となる

 最後に、CS通信を見てよせられた感想のなかでこういうものがありました。「報告をきいて、これから一日一日がかけがえのない貴重な日々になった思いがした」。

 そのとおりであります。この四十日間はまさに一日一日が歴史的日々になる、そういう大事な瞬間であります。ですから一日一日の活動を大事にして、日々活動を発展させ、知恵と力を発揮して、わが党の前進・躍進への道をひらく四十日間にしようではありませんか。そしてそれにつづく総選挙の本番の大奮闘で勝利を必ずかちとろうではありませんか。

 以上をもって討論の結語といたします。ともにがんばりましょう。(拍手)

 


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