日本共産党

2003年9月19日(金)「しんぶん赤旗」

総選挙と党大会に向けた活動の基本方針について

志位委員長の報告


 総選挙と党大会に向けた活動の基本方針についての報告をおこないます。

 秋の解散・総選挙の可能性は濃厚です。十月解散、十一月投票の日程を、政府・与党が決めたとの報道も伝えられています。同時に、第二十三回党大会は、すでに十一月二十二日に招集し、大会成功に向けたとりくみがすすめられています。


総選挙勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動を、40日間でやりぬく

 こうした情勢のもとでの党活動の基本姿勢で、第一に強調したいことは、総選挙勝利のための活動を、党活動の前面にすえて、「勝利に必要なことをやりきる」ということです。

 選挙方針の基本は、六中総決定にくわえて、すでに説明した大会決議案にのべられています。これを読了し、討論しつつ、実践していくとりくみが必要であります。

 とくに大会決議案にも明記されているように、総選挙勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動――ポスター、ビラ、ハンドマイク、対話と支持拡大、後援会活動、党勢拡大などを、この八中総から四十日間という期限を決め、やりぬくことを提起するものです。

草の根での活動を、期限を設定して早い時期にやりきる活動の重要性

 対話と支持拡大をはじめとする草の根での活動を、期限を設定して早い時期にやりきるというとりくみを成功させることは、これまでの総選挙、参議院選挙、いっせい地方選挙などの総括・教訓にてらしてもきわめて重要です。

 たとえば前回、二〇〇〇年の総選挙では、全党と後援会のとりくみによって、わが党がおこなった対話の総数は、約二千万でした。支持拡大の総数は、約一千三百万でした。ところが支持拡大の約一千三百万のうち公示までにおこなったのが、約五百万です。すなわち公示から投票日までの期間に、約八百万の支持拡大をおこなったことになります。その約八百万のうちわけをみると、最後の三日間で約四百万をやっています。これが前回のとりくみでした。

 私たちは、この経験から、「選挙の公示にならないと本気にならない」、「最後の三日間にならないと底力がでない」という弱点を克服することの重要性を、あの総選挙の結果からの痛切な反省点の一つとして確認しました。二〇〇一年の参院選挙では、この弱点を克服しようという意欲的なとりくみもおこなわれましたが、問題点を克服したとはいえない結果でありました。

 そこで今年のいっせい地方選挙では、一月七日に都道府県委員長会議を開き、三月七日までに勝利に必要な草の根の課題をやりきろうと提起しました。この提起は、これまでにない自覚的なとりくみをうながし、とくに、後援会ニュースを繰り返し届けるという活動を通じての「対面での対話」の活動が、これまでにない前進をとげました。

 しかし、「対面での対話」と同時に、電話もふくむあらゆる手段を活用しての全有権者に働きかける対話をすすめるという点での立ち遅れが克服できず、残念ながら飛躍をつくるにはいたりませんでした。

 これらの教訓を、今度の総選挙に向けたとりくみでは必ず生かし、四十日間で勝利に必要な草の根の活動をやりきるというとりくみを、文字通りやりきるということを提案するものです。

すべての党支部が得票目標、支持拡大目標を決め、最高の峰を上回る運動を

 とりくみをすすめる根本は、すべての党支部が得票目標、支持拡大目標を決め、これまでとりくんだ対話・支持拡大の最高の峰を上回る運動にしていくことにあります。

 また、すでに始まっていますが、ポスター、ビラ、ハンドマイク、演説会など、全有権者を対象にした政治宣伝を強め、街の雰囲気を変えるとりくみをすすめることと一体に、組織活動を前進させることが重要であります。

 早い時期に、勝利に必要な草の根での活動をやりきり、さらに前進・躍進のための活動に乗り出す――それをやりきってこそ勝利への道が開けます。総選挙に向けて、この活動を今度こそやりぬこうではありませんか。

大会成功のための活動をやりぬく構えを崩さず、大いに前進をはかる

 基本姿勢の第二に、強調したいのは、大会成功のための活動をやりぬくという構えを崩さず、ここでも大いに前進をはかることが重要であるということです。その内容は大きく言って二つであります。

 一つは、二つの大会議案――綱領改定案と大会決議案を、全党討論によって練り上げていくというとりくみです。これをすすめるうえで、綱領改定案の冊子をすべての党員にとどけるとりくみがすすめられていますが、これをやりきることは大前提です。大会決議案も、中央委員会総会で審議・決定されたら、同じように冊子にするつもりです。綱領改定案と大会決議案の冊子を全党員に届ける。これは党組織の責任としてやる気になればできる活動ですから、すみやかにやりきるようにしたい。届け、読了し、討議し、実践する――これを一体にすすめるということが大切であります。綱領改定案も大会決議案も、直面する党のあらゆるたたかいの政治的・理論的土台となるものです。

 もう一つは、「大運動」の成功です。この三カ月間のとりくみで、党員拡大は、前進をかちとっていますが、微増という到達点です。読者拡大では、六月は残念ながら後退しましたが、七月、八月に全党の奮闘で前進をかちとったことはたいへん重要であります。この時期の連続前進は六年ぶりのことでした。この前進を、飛躍に転じ、党勢拡大の大きな波のなかで選挙と大会をむかえよう――このことをよびかけるものです。

「支部が主役」の運動に広げきれば、両方の課題を相乗的に推進できる

 運動をすすめる基本は、すべての支部の運動にしていくというところにあります。「大運動」の目標を持ってとりくんでいる支部は、まだ約二割程度です。こうした条件のもとでも七月、八月に、読者拡大で前進がかちとれたわけですから、目標を持って自覚的にとりくむ支部を大勢にできれば、必ず飛躍をつくることができます。

 大会成功をめざすこれらの課題をやりぬくことは、早期の解散・総選挙となっても、勝利に必要な政治的・理論的・組織的土台を築くことになり、決して選挙勝利と矛盾するものではありません。「支部が主役」のとりくみにするならば、総選挙勝利と大会成功のとりくみは、相乗的に推進をはかることができます。

 ですから、党機関が総選挙勝利と大会成功のためのとりくみを統一して推進する構えをつらぬくことが、とりわけ重要であります。かりにも、大会成功のためのとりくみを、「選挙ちかし」ということで棚上げにするならば、せっかくの綱領改定案があり、大会決議案があっても、それが棚上げにされ、宝の持ち腐れになってしまって、みんなのものにすることができないで選挙をたたかうことになってしまいます。ですから、これは統一して推進する構えを崩さず、つらぬくことが大切です。

 大会準備の支部総会や各級党会議も予定されていますが、これらの場も、大会成功とともに総選挙の勝利のうえでも積極的に位置づけて、全党員が結集する党活動の飛躍の場としていきたいと思います。

早期の解散・総選挙の場合――解散翌日に緊急の九中総を招集し、大会延期の措置をとる

 それでは早期の解散・総選挙になった場合にはどうするかということですが、その場合には解散の翌日に緊急の九中総を招集して、大会延期の措置をとるようにしたいと思います。そのことをあらかじめこの中央委員会総会として確認しておくことを提案するものです。

 早期の解散・総選挙になった場合は、綱領改定案と大会決議案を総選挙をたたかう基本方針として、勝利をめざし、躍進をめざして奮闘するようにしたいと思います。

 以上が当面する活動の基本方針についての提案であります。


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