2003年9月17日(水)「しんぶん赤旗」
第三十五回新潮新人賞は、小説部門に本紙学術・文化部記者の浅尾大輔「家畜の朝」と青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」、評論部門は松井博之「一と二をめぐる思考−文学・明治四十年前後」に決まりました。
浅尾大輔氏は、一九七〇年愛知県生まれ。日本民主主義文学会会員。青木淳悟氏は一九七九年埼玉県生まれ。早稲田大学文学部在学中。松井博之氏は一九六六年大阪府生まれ。予備校講師。
「家畜の朝」は寂れた地方で暮らす一群の若者たちの出口のない青春の日々を、不思議な明るさとリアリティーで描き「深沢七郎を思わせる」「登場人物たちのどうしようもなさが魅力」と評価を集めました。「四十日と四十夜のメルヘン」は、小説内小説や暗ゆなどさまざまなレトリックが仕掛けられた作品です。
受賞作は、来月発売の『新潮』十一月号に掲載。