2003年9月17日(水)「しんぶん赤旗」
【パリ14日浅田信幸】スウェーデンで十四日、欧州単一通貨ユーロ導入の是非を問う国民投票が行われ、反対が多数を占めました。投票結果は反対56・2%、賛成41・8%、白票2・1%。投票率は81・2%でした。
激しい選挙戦がたたかわれましたが、国民の間にユーロに対する不信感が根強く、導入を推進する政権の内部からも反対を公言する閣僚が続出。政権にとっては手痛い敗北となりました。ペーション首相は記者会見で「結果は明快だ」と敗北宣言を出し、辞任のうわさを否定して「心は重いが辞任はしない」とのべました。
導入反対派は、経済が停滞気味のユーロ圏に入ることが好調な自国経済にもたらす負の影響などを強調。またユーロ圏の大国である独仏がみずから定めた財政安定協定に違反する赤字財政を推進していることも、導入反対を訴える格好の宣伝材料となりました。
さらに国民の間には、世界最高のレベルにある社会福祉が切り下げられるのではないかとの不安が根強くありました。
賛成派は、欧州連合(EU)内での影響力を保持し、為替相場の不安定化を回避するために導入が必要だと訴えました。
スウェーデンは、欧州連合の現加盟国十五カ国の中で英国、デンマークとともにユーロ圏外にとどまることになります。