日本共産党

2003年9月15日(月)「しんぶん赤旗」

「川をきれいに」から結びつき

敬老の日

年金者組合の支部

群馬・玉村町

多彩な行動、頼れる味方


 群馬県玉村町。利根川と烏川にはさまれた人口三万七千人の町です。全日本年金者組合の玉村支部が生まれて三年。「生きがいがあって頼れる」と組合員は五十人以上、高齢者(六十五歳以上)人口の1%を超えました。

 利根川支流、藤川の川風がわたる桜の木の下が同支部上陽班のたまり場。集まってきたのは支部長の関口昭三さん(75)と、最近組合に入った仲間たちです。

 「一人暮らしだから家でテレビ見ててもつまんね。出てこないとみんなが心配して呼びにくるんだ」と、宮澤乙三さん(63)。

 上陽班の仲間が広がったのは、日本共産党の元町議でもある昭三さんが長年続けてきた「藤川をきれいにする会」がきっかけでした。

 工場汚染の監視、コイの放流などを続けた会の活動が実って、今年、一千万円の県予算で「親水施設」が完成。親しみやすく、魚の住みやすい川になってきました。

 住民参加方式の工事にあたって、昭三さんが相談したのがアユづり名人の井上嘉半冶さん(66)たちでした。皆、かつかつの年金暮らし。昭三さんに誘われ、組合に入りました。川をながめながら班の計画を相談します。

平和をねがう

 七月。「手打ちそばを食べる会」を開いたとき、昭三さんが「この川で平和灯ろう流しをやるのが夢だ」とつぶやきました。兄は二十三歳で戦死。帰ってきた骨つぼには紙切れ一枚。「今、有事立法やイラクへの自衛隊派遣など、また戦死者が出るかもしれない状況だ。本当の意味で平和を願い、祖先や戦死者をとむらいたい」。そんな思いでした。

 「あ、うん」の呼吸で翌日から準備が始まりました。大工の関口元さん(66)は灯ろうづくり。井上さんは塩焼きのアユの手配。手づくりのポスターをはり、地域の区長や遺族会によびかけ、お寺の住職にも協力してもらいました。

 八月十九日、「藤川をきれいにする会」と年金者組合の共催で百人が集まり、終わってからも「ありがとうございました」と感謝が寄せられました。

 大工の元さんは組合に入った理由を「何か人の助けになることがしたかった」と。井上さんは「年金の手続きをするとき、別の会に入らされたがなんのメリットもなかった。この組合には人との結び付きが生まれる」。

 支部には三つの班があります。玉村班では月に一度、班長の木村公太郎さん(63)の自宅で「寄合所」を開設します。十四回目の八月は、手打ちうどんと野菜染めの会を開き、孫ときた高齢者に「孫の自由研究にもなった」と喜ばれました。

自治体に向け

 生活相談や組合員を主対象にしたボランティアも。草取り、病院への送迎、家の修理など注文はひっきりなしです。

 政府や自治体に向けたとりくみも活発です。年金の学習会を開き、「年金切り下げ反対」と宣伝。介護保険料、利用料の減免制度の充実やイラク戦争反対の意見書を町議会に出して採択されました。

 「信条は違っても、これならと信頼してくれる人もいる。なかなか言えない悩みを出し合えるから仲間が増える。高齢者が安心して暮らせるよう、年金給付の削減や医療改悪などの攻撃とたたかわんと。だまってちゃだめだ」と木村さん。

 十月の支部主催文化祭には、町の教育長だった人や、プロ級の書家、画家も出品する予定です。(竹本恵子記者)


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