日本共産党

2003年9月7日(日)「しんぶん赤旗」

那覇の住宅街 ロケット弾処理

那覇の住宅街950人、緊迫の避難

ずさん米軍、自衛隊に批判


 沖縄県沖縄市池原で爆死した航空自衛隊那覇基地所属の田村多喜男空曹長(53)が多数の武器・弾薬を違法に所持していた事件で、在沖縄米空軍嘉手納基地所属の爆発物処理隊は六日、那覇市具志にある空曹長の自宅アパートと、那覇市小禄の借家で、米軍の66ミリ対戦車ロケット弾計四発の処理作業を行いました。午前中は現場から半径百メートル以内の約二百二十世帯の五百五十人が、午後は百五十世帯の四百人と計九百五十人が避難しました。

 近くに住む県職員(55)は「米軍の武器・弾薬管理のずさんさが浮き彫りになった。沖縄にいるなら最後まで責任を持って管理してもらいたい」と憤慨します。「自衛隊は県民のことを考えてくれるはずではなかったか」「怖かった。どうして上司も同僚も(違法行為に)気付かなかったのか」などと自衛隊への県民の怒りも渦巻きました。

 那覇市職員が避難を呼びかけ始めたのは午前九時十五分ごろ。同処理隊は同十時から作業を開始。市郊外の静かな住宅街は一転して緊迫した空気に包まれました。

 処理方法は、「ディアマ」とよばれる機器で信管を撃ち抜き、起爆装置と爆薬を分離する方法がとられました。発射時の反動で近接する隣家の窓ガラス一枚にひびが入りました。陸上自衛隊不発弾処理隊が立ち会い、万一の事故に備えて消防車両も待機しました。

 同ロケット弾は米軍が一九六○年代に開発。動く目標に対する有効射程は百五十メートルで、厚さ三十センチの軟鉄を貫通する威力を持っています。

 弾頭の先端部分は取り外されていますが、信管と火薬は残っており、動かせば爆発の危険があります。このため大量の砂袋で防護壁が作られました。現場は、那覇市南西部の空自那覇基地に近い住宅街です。

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ロケット弾の処理作業をすすめる自衛隊員ら=6日、那覇市小禄で
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米軍の爆発物処理隊によって信管を破壊されたロケット弾=6日、那覇市具志

背景に米軍基地の集中

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 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の話 民間住宅が密集する地域で、銃砲弾が発見されたことに住民は大きな衝撃を受けています。

 住民が安心して生活できるよう、銃砲弾の入手経路や自衛隊内での武器・火薬類の管理・教育がどのようにおこなわれていたのかなど、事件の徹底究明と厳正な対処が必要です。

 また、発見された銃砲弾が米軍のものであったことも重大です。二〇〇〇年には、米軍基地から劣化ウラン弾の薬きょうが民間に流出していたことがありました。米軍の武器・弾薬が流出する事態がたびたび繰り返される背景には、沖縄に米軍基地が集中している問題があります。

 米軍や自衛隊という軍隊が沖縄県民の安全を無視している事態を放置するわけにはいきません。


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