日本共産党

2003年8月24日(日)「しんぶん赤旗」

イラク問題

米英は国連に権限移せ

アナン総長、仏など強く要求


 【ワシントン22日遠藤誠二】アナン国連事務総長は二十二日、国連現地本部での爆弾テロなど混乱するイラク情勢について発言。イラクにおける諸問題の決定権を米英占領軍から国連に移すよう主張し、それができなければ、国連安保理としてはイラクへの新たな部隊の派遣などでの協力は困難として、米国に警告しました。英国のストロー外相との会談後に述べたものです。

 ブッシュ政権は、イラクの混乱に対処するために、多くの国が軍隊を派遣するよう求め、そのための新たな安保理決議を模索する構えも示しており、アナン発言はこれをけん制したもの。

 一方、ドビルパン仏外相も二十二日、イラク問題で国連の主導権確立を求め、それができないかぎり問題は解決しないとの立場を明らかにしました。亡くなったデメロ国連特別代表の出身国ブラジルのルラ大統領も同日、同様の見解を表明。米英占領体制を批判し、国連主導の解決を求める国際的動きが急速に広がっています。

 アナン事務総長は二十二日午前、前日のパウエル米国務長官との協議に続き、英国のストロー外相と会談。その後の記者会見で、「ただ負担を分かちあうのでなく、決定と責任を他の国と共有するものでなければ、各国が納得いく新たな(安保理)決議を採択するのは困難だ」と語り、国連の権限の抜本的な拡大なしには、新決議の採択は意味をなさないとの考えを示しました。

 さらに、アナン事務総長は、安保理が「国連の信任を受けた多国籍軍への移行について決定するかもしれない」とのべました。

 ストロー外相は、「われわれが話し合っているのは、国際社会が国連の役割と職務を強化すること」とのべましたが、それ以上は語りませんでした。


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