2003年8月22日(金)「しんぶん赤旗」
「ネギ高いねー」。東京・渋谷区内のスーパーマーケット。小学生の男の子を連れて買い物に来た女性が声をあげました。茨城産ネギが二本で二百五十円。このほかレタスも三百五十円。日照不足と低温で野菜の価格が高騰しています。消費者と生産者の声を聞くと−。(浜島のぞみ記者)
渋谷区内のスーパーの青果売り場担当の男性(62)は、「台風の影響で傷ものが多い。キュウリも品薄。三箱頼んでも品がなくて一箱になってしまうこともある。レタスは雨が多いと水を多く吸って、市場から届いたばかりでも溶けてしまう」といいます。
大学生とフリーターの子どもがいるという女性(53)は「高いのは買わないようにしてるけど、キュウリが一本八十円もするなんて。別の青物で量も多いものを買います」
二十日の東京都の大田市場では、お盆入りの十三日にくらべて大幅に値が上がりました。ネギは二十日の高値で五キロc、三千六百七十五円と、十三日(二千百円)にくらべて七割高。キュウリも七割高、レタスは十キロc、四千七百二十五円で五割高、ナスは五キロc、三千百五十円で八割高などとなっています。
同市場によると、「北海道から九州まで大雨の影響は全国的。生シイタケやタマネギなども影響を受けている」といいます。
千葉県の農民連・船橋農産物供給センターの海老原重光さんは、「台風の被害もあり出荷状況は例年の半分以下」と語ります。「これから植え付けるキャベツや秋・冬野菜の苗の生育も非常に遅い。ニンジンも雨で種が流されたり、発芽不良。サトイモ、サツマイモなど土ものも生育不良で減収の見込みです。これから天候が回復しても七、八割程度ではないか」
船橋市内で野菜を専門につくっている渡辺和雄さん(55)の畑の手前の農道は台風10号と長雨でできた茶色の水たまりが残っていました。隣の農地のニンジン畑の三分の一ほどは道からあふれた泥がかぶさり、芽が埋まっています。
ネギ畑は、一見すると青々していますが、黒斑(こくはん)病で葉にしみがついていました。雨が続き、白い茎部分を育てるために土を寄せる作業が遅れているといいます。「これから、天候がよくなっても収量は確実に落ちる」(渡辺さん)。
茨城県内でも「十年前の冷害に比べても被害が大きいのでは」と、農家の不安が広がっています。
茨城県八千代町農業委員・県西産直センター理事の小竹節さん(51)は「ナス、トマト、キュウリ、なりものの被害が大きい。キュウリは一ケース五キロあたり平均千五百円程度だったものが、五千円にまで急騰しましたが、収穫の減っている農家にとってもうけになるわけではありません」といいます。
農業共済制度は、露地の園芸野菜は対象になりません。小竹さんは、「半分以上もの作物に被害が出れば深刻な事態だ。補償など行政の対策を求めたい」と話しています。